■俳優陣とは一味違ったテイストに注目…『ヒーローを作った男 石ノ森章太郎物語』バカリズム
昨今では“お笑い芸人”が俳優として活躍する場面も珍しくはないが、とあるドラマのなかで“マンガの神様”・手塚さんをあるお笑い芸人が演じていることをご存じだろうか。
それが２０１８年の「２４時間テレビ４１ 『愛は地球を救う』」のなかで放送されたドラマスペシャル『ヒーローを作った男 石ノ森章太郎物語』なる一作だ。
数々の特撮ヒーローを世に生み出した漫画家・石ノ森章太郎さんの半生を描いた作品で、作中では彼と交流があった多くの著名人が登場する。
なかでも漫画家たちが寝食をともにしていた“トキワ荘”にかかわる人物として、赤塚不二夫さん、つのだじろうさんといった有名漫画家たちが登場。そして、手塚さん役に抜擢されたのが、お笑い芸人のバカリズムさんであった。
作中では『鉄腕アトム』の連載中に逃亡したり、石ノ森さんの作品『ジュン』に対する否定的な評価を詫びるなど、これまでよりいっそう人間臭い立ち回りが目立っていた。
ドラマ撮影当初、バカリズムさんは“マンガの神様”をどう演じるべきか悩んでいたそうだが、最終的に眼鏡とベレー帽といったシンボルを身につけ、自分なりの“手塚治虫像”を自然体で演じることに努めたそうだ。
本ドラマにおいても手塚さんはキーパーソンといえる重要な役柄だった。「独創的でカリスマ性を持ち合わす存在感のある人に演じてもらいたかった」と、プロデューサーは明かしていたが、まさに適役だったように思う。
自身のネタのなかで数々の“絵”を用いるバカリズムさんだが、まさか自身が“マンガの神様”を演じることになるとは、夢にも思わなかっただろう。
その数々の偉業から多くの作品に登場する手塚さんだが、彼を演じた俳優たちの顔ぶれにもあらためて驚かされてしまう。作品ごとに異なったテイストで演じられる“手塚治虫像”の違いにも、ぜひ注目してみてほしい。
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