■主人公の破滅が気になってしょうがない! 『幸せの時間』
『幸せの時間』は、『Weekly漫画アクション』(現:漫画アクション(双葉社))で1997年から2001年に掲載された作品だ。
主人公の浅倉達彦は愛する妻・智子と2人の子どもに囲まれ、マイホームを購入したばかりの幸せな男。しかしある日、高村燿子という若い女性を車で轢いてしまったことがきっかけで、達彦は燿子と不倫関係になってしまう。
本作ではなんといっても達彦の行動が凄い。智子に隠れて燿子と不倫を重ねたあげく、周囲にその関係がバレそうになったら平気で燿子を切り、智子に暴力を振るったりもする。また裏金にも手を出し、燿子以外の女性とも関係を持ったりと、やりたい放題だ。
通常、達彦がやった数々のひどい行為を見ると嫌気が差すものだが、読者は「早くこの男に制裁をしてくれ!」という気持ちから読む手が止まらない。筆者もまんまとそのストーリーに魅せられたひとりだ。達彦がたどる破滅への道を知りたくてたまらなくなり、最終話まで一気に読破してしまった。
2012年には田中美奈子さん主演で昼ドラにもなり、漫画に負けないほどの過激な描写が話題となった本作。その後、2005年から続編となる『新・幸せの時間』が『漫画アクション』(双葉社)で連載され、こちらは達彦の息子の良介が主役となり物語が展開された。
しかし蛙の子は蛙……。こちらも父親に負けず劣らず、良介の奔放な行動が凄かった……。
残念ながら国友やすゆきさんは、2018年9月にこの世を去っている。しかし国友さんの作品の多くは今でも漫画配信サイトで読むことができ、一度読めばセクシーかつ目が離せない展開に夢中になるだろう。
国友さんの作品は青年、成人向けになっているが、万人受けする美麗なイラストなので女性でも読みやすい。漫画サイトでの多くは読者がコメントが残せるが、そこに「たまたま読んだらドはまりした!」という意見が多いのにも注目だ。
一度読むと沼にハマること間違いなしの国友さんの作品、読んだことのある人も初めての人も、ぜひ作品をチェックしてほしい。