『ジャンク・ボーイ』に『100億の男』、『幸せの時間』も…男たちの欲望見たさに読む手が止まらない! 国友やすゆきさんの作品を振り返るの画像
アクションコミックス『JUNK BOY』第13巻(双葉社)

 いまや漫画を楽しむには欠かせない漫画配信サイト。近年そんなサイトのなかで、国友やすゆきさんの作品が人気なのをご存じだろうか。

 国友さんは1974年にデビューした漫画家で、早稲田大学漫画研究会に所属していたことでも知られる。スポーツ作品などを手がけたあとは、青年成人向け漫画家に転身。過激な描写や男性の欲望を描いた作品が話題となった。今回は、そんな国友さんの代表作を3選紹介したい。

■バブルの香りプンプン!ちょっとエッチな青年の活躍を描いた『ジャンク・ボーイ』

『ジャンク・ボーイ』は『Weekly漫画アクション』(現:漫画アクション(双葉社))で、1985年から1989年に連載された作品である。

 主人公の山崎良平は、憧れのマスメディア業界で働くことを夢見る大学生。しかし面接当日に寝坊してしまい、美しい女性の織田由貴の車に無理やり乗り込み、ハプニングを起こしながらも何とか間に合う。しかしその会社の面接官こそ、先ほど出会った由貴であった。

 良平は上司になる由貴に欲情したり、ヌード撮影の助手としてドキドキしたりと、男性の欲望を全面的に出しつつ活躍していく。

 作品が連載されていた当時はバブル絶頂期。この当時はテレビも堂々と女性のあらわな姿を放送するなど、割とオープンだった。本作にも洋服を脱いでいく美女が次々と登場しており、なんとも時代を感じる。

 またこのころはトレンディドラマも流行っており、良平も初回登場時はちょっとダサい大学生だったものの、社会経験や女性経験を積んでいくうちに見た目も内面もカッコいい「トレンディ男子」へと成長していく。

 猪突猛進の良平の生き方は、現代人にとってかなり刺激的に思えるだろう。

■地獄に突き落とされても美女が味方! まさに男のロマン『100億の男』

『100億の男』は『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて、1993年から1996年に掲載された作品だ。その人気から1995年に緒方直人さん主演でドラマ化され、ヒットしている。

 主人公の富沢琢矢は平凡なサラリーマンであったが、ある日母親の連帯保証人とされていたことから、100億円もの借金を背負ってしまう。その背後には、莫大な財力と権力を握る久我山天善という男がいた。地獄に突き落とされた琢矢だったが、天善にかかわる女性などを味方につけ、最後は金融界を巻き込む騒動にまで発展していく。

 波乱万丈な人生を生きる琢矢。借金だけではなく次から次へと試練が起こるため、彼がどのように立ち向かっていくのだろうと目が離せなくなった読者も多いだろう。

『100億の男』では、借金地獄から主人公が這い上がっていくさまはもちろん、次々と現れる美女との関係も見どころだ。本作は濃厚なラブシーンも多いが、国友さんの作品は基本的に主人公の男性がとても魅力的で、多くの美女からモテて大人の関係へと発展していくストーリーが多いように感じる。

 現実にはなかなかありえない流れかもしれないが、怪しげな美女が自分の味方になってくれる展開は、いつの時代も男のロマンだと言えそうだ。

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