■匂いや音の反響を駆使し相手の位置を正確に把握

 彼らは視力を持たない代わりにその他の感覚に優れており、悲鳴嶼やンドゥールのように、ものを使って敵との距離などを測ることもできる。それにより、自然と最強キャラとして大活躍をするのだろう。

 また、最近の漫画でも心眼使いは定番キャラのようで、2023年にテレビアニメ化された賀来ゆうじ氏の漫画『地獄楽』(『少年ジャンプ+』で連載)に登場する山田浅ェ門の一人である士遠も、生まれつき盲目ながら、匂いや音を頼りに優れた剣術をみせるキャラだ。

 こうして羅列してみると、心眼使いのキャラは、やはりどことなく『座頭市』をイメージしたキャラが多いようだ。

 また視力を失っているわけではないが、視力を自ら断絶しているキャラやいつも目を閉じているキャラも。たとえば冨樫義博氏の漫画『幽☆遊☆白書』に登場する、幻海師範の門下生大選考会に出場した「牙野」は全ての感覚を遮断するために特殊なマスクを被り、相手の気を探るという変わったキャラだった。芥見下々氏の漫画『呪術廻戦』の加茂憲紀や久保帯人氏の漫画『BLEACH』の市丸ギンなど、「糸目」と言われる、いつも目を細く閉じたキャラが、本気を出したときにだけ開眼するのも、アニメ漫画好きからすれば胸アツの展開だ。

 彼らがこれほどまでに強いインパクトを残すのは、心眼使いのキャラは一作品中にせいぜい1人か数人しか登場しないという特別感もあるのかもしれない。作者にとっても彼らはとっておきの存在なのだろう。

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