『ジョジョの奇妙な冒険』クズすぎる…コイツにだけは「お近づきになりたくない」“イヤ~”な敵の画像
(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会

 1986年から『週刊少年ジャンプ』で連載が始まった荒木飛呂彦氏による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)。最新シリーズは2023年2月からスタートした『ウルトラジャンプ』で連載中の第9部「The JOJO Lands」。2012年から始まったテレビアニメシリーズは現在第6部「ストーンオーシャン」まで制作されており、さまざまなメディア展開により世界中で人気を集めている作品だ。

『ジョジョ』といえば、正義や友情に熱いキャラから、残酷で恐ろしいキャラまで、敵・味方問わずさまざまなキャラクターが登場することが魅力のひとつ。他の作品では見ないようなぶっとんだキャラが多数登場するのが同シリーズの特徴で、中には、思わず「こいつだけは……」と読み進めるページが震えてしまうような「クズ」なキャラを描くのも荒木氏のなせる技。

 外道、非道、セコい、とにかく性格が悪い……などなど、今回はこれまでの『ジョジョ』シリーズの中から、「こいつだけは近づきたくない」という敵を選んでみた。いろんな種類のクズがいるので、見比べてみると面白いだろう。

■相手の善意につけこむ悪人

 まずは、第4部に登場した「小林玉美」から。身長は低く小柄で、頭はデカめのリーゼントに固めている20歳の男性。名前はかわいらしいが、いかにもチンピラな見た目で、たまたま授かったスタンド能力を使ってたちの悪い「ゆすり」を行っていたキャラだ。

 玉美のスタンド「ザ・ロック」は、相手が罪悪感を持つことで、相手の心に「錠前」を取り付ける能力。相手の抱く罪悪感が大きくなるにしたがって、錠前も大きく重くなっていくというもので、玉美いわく「人間てのは罪の重さに耐え切れなくなると 死んだほうがましって思うんだぜ〜〜〜っ」という、いわば“善人”につけこむ悪人のスタンド能力だ。

 玉美は、道端に猫(の玩具)を入れたズタ袋を置いて、それを轢いてしまった街の高校生・広瀬康一の心に錠前をしかける。そして康一の家に押し入り、母親と姉まで「ザ・ロック」の餌食にし、家族ごと追い詰めていく。最終的には康一のスタンド「エコーズ」が進化したことで母親の罪の意識を消すことに成功したが、康一以外のスタンドでは解除は難しかったかもしれない。

 その後も康一の舎弟としてたびたび現れ、見た目もいつの間にかどんどんデフォルメしていった玉美だが、いまいち人気者になれなかったのは、やはり彼が真の「クズ」だからだろうか。できればお近づきになりたくないキャラである。

■ホワイトスネイクも認める「真の邪悪」

 次は第6部に登場した、囚人のサンダー・マックイイーン。非常にネガティブな性格で、いつも鼻水まで流しながら号泣し、自分が社会から嫌われていると思い込んですぐに死のうとするキャラクターだ。一見かわいそうな男だが、彼にスタンド能力を与えたホワイトスネイクは、彼を「悪より悪い“最悪”」「他人を不幸に巻き込んで道づれにする“真の邪悪”だ」と評価する。

 実際のところマックイイーンは、どこまでも自己中心的で周りのことなど全く考慮しない男。つい数秒前まで感動して笑顔を見せていたと思えば、次の瞬間に急に落胆し、全くためらわずに自分の首にベルトをかける。そんな彼に与えられたスタンド「ハイウェイ・トゥ・ヘル」は、標的となった人間を道連れにする能力で、女囚人のエルメェス・コステロはマックイイーンのせいで何度も死にかけるのだった。

 最初は首吊りで、その次はトイレタンクに首を突っ込み溺れる。間髪いれずに死のうとするマックイイーンに驚かされ、それに振り回されるエルメェスは実に悲惨である。マックイイーンは、最後に感電死するために周囲を水浸しにして、むき出しの電源コードで自らをぐるぐる巻きにしていた。エルメェスは、そんな彼を止めるために必死の説得を試みる。しかしそれは逆効果で、「オレは本当に幸福だあぁぁぁあああああ」とスイッチを押した。なんてヤツだ……。

 エルメェスは、自らに生まれたスタンド能力「キッス」で死を免れた。勝手に死ぬだけならまだしも、巻き込んで死にたいという考えは恐ろしい。まさにホワイトスネイクの言う「他人を不幸に巻き込んで道づれにする“真の邪悪”」そのもの。絶対にお近づきになりたくない相手である。

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