■貫禄たっぷりなおかみさんの年齢

 鉱山労働者だったパズーの親方であり、保護者のような存在でもあったダッフィー。筋骨隆々な体の彼は、ドーラ一家が渓谷に攻めてきたときにも一歩も引かず、パズーとシータを守るような優しい性格をしている。

 ここで紹介するトリビアは、「おかみさん」の愛称で親しまれているダッフィーの妻についてだ。屈強な男たちの喧嘩をフライパン片手に見守る強い精神力の持ち主で、シータを逃がした際に、「いい子じゃないか。守っておやり」と言葉をかける心優しい人でもある。

 貫禄たっぷりの見た目も相まってかなり大人に見えるが、設定はまだ20歳というから驚きだ。ダッフィーの年齢が40歳前後で子どものマッジが3〜4歳なので、歳の差婚で若い出産ということがわかる。

『the art of Laputa』内で宮崎監督は、この年齢設定について、「労働階級はざらに15歳くらいで結婚してますから20歳くらいでいいだろうということですね」とその理由を語っていた。

■ロボット兵はアニメ『ルパン三世』にも登場

 作中で重要な役割を担うロボット兵。茶色い体に腕のたくさんの突起が特徴で、翼を使って空を飛べる戦闘用のもの。「ポロロン」と音が鳴る、庭園の手入れや生き物の世話をする園丁用のもの。また、作中では登場していない看護用のものと、いくつかのロボット兵が設定されているが、彼らが初登場した作品は『ラピュタ』ではない。『ラピュタ』が公開された1986年より前となる、1977年から放送されていた『ルパン三世』第2シリーズで初めてその姿が描かれている。

 宮崎監督はかつて、照樹務の名義で145話「死の翼アルバトロス」と、最終回となる155話「さらば愛しきルパンよ」の脚本・演出を手掛けており、名作と名高い最終回でロボット兵を登場させていた。ちなみに、この回のヒロインはナウシカに容姿がそっくりで、声優も同じ島本須美さんが務めている。

 どちらのロボット兵も見た目は似ているが、ルパンのほうは人が操縦することで空を飛べた。さらに、「ラムダ」という名前もついていた。

『天空の城ラピュタ』には、この他にも数々のトリビアや裏話が隠されている。細かい設定も制作陣の遊び心も、ファンにとってはワクワクするネタばかりだ。トリビアを踏まえた上でもう一度視聴してみてはいかがだろうか。

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