1986年から『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて連載された、浦沢直樹さんの名作柔道漫画『YAWARA!』。本作の記念すべき第1話では、ヒロイン・猪熊柔がひったくり犯を鮮やかに投げ飛ばす、かの有名な“パンチラ巴投げ”のシーンが描かれている。当時小学生で“正義・努力・根性”の少年漫画しか見てこなかった筆者にとって本作は、女の子の強さやかわいさが詰まった作品だった。
そこで今回は、子ども心にドキドキした『YAWARA!』の印象的なシーンを紹介する。
■Tシャツなしで参加することになった猪熊柔
まずは、高校時代の柔が胴着の下にTシャツなしで戦うことになった巌流寺高校男子柔道部との交流試合のエピソードから。
コミックス第1巻、祖父の猪熊滋悟郎の策略により、男子柔道部5対5の勝ち抜き団体戦に大将として参加することになった柔。急な出場のためTシャツを持ってきておらず、胴着の下はすぐに下着という状態だった。対戦校の巌流寺高校男子柔道部員は、試合のどさくさに紛れて“女の子に触れられる”と、鼻息を荒くして下心丸出し……。
仲間の武蔵山高校柔道部員たちは大将の柔まで回さまいと頑張るものの、先鋒・次鋒・中堅と次々と敗れ、副将・花園薫が一人を倒すも次の相手に敗れてしまう。
そうして、強豪校の男子柔道部員4人を一人で相手にすることになってしまった柔。試合途中、柔の胸元がはだけてブラジャーが見えてしまうシーンもあり、子ども心にドキドキハラハラする展開だった。
ちなみに、結果はもちろん柔が4人全員に見事一本勝ちし、武蔵山高校柔道部が勝利している。
■前代未聞の反則負けとなったマリリン
ドキドキシーンと言えば、本作屈指のセクシーキャラ・マリリンは外せないだろう。
非常にグラマーな体型をしたマリリンこと小田真理は、女子大生編で活躍(?)した三葉女子短大柔道部の部員の一人。柔道部への入部も痴漢への護身のためだった。そんなマリリンの練習風景はあまりにセクシー過ぎて、コーチとして来ていた花園が鼻血を出してしまうほど。
コミックス11巻、日本一の強豪校・筑紫大学との練習試合。中堅として出場したマリリンだったが、なんとノーブラでTシャツなしという“らしからぬ格好”で戦おうとし、反則負けとなってしまう。(もしも試合が行われていたら、どうなっていたのだろうか……)
その後、虚弱体質の日陰今日子にレギュラーの座も奪われ、三葉女子の中で唯一1勝もできず不名誉な部員となってしまったマリリン。ただし、卒業記念試合ではレースクイーンのような水着姿で応援に回っており、卒業後はセクシー女優となるなど人生を謳歌していたようだ。