オトナが胸を打たれる!ニンテンドースイッチ新作『クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」』が醸し出す「昭和ノスタルジー感」【プレイリポート】の画像
ニンテンドースイッチ版『クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」』 (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK (C)Neos Corporation

 ファミコンゲームボーイからスマホアプリまで、これまでさまざまなプラットフォームでゲーム化されてきた『クレヨンしんちゃん』。2024年2月22日には、最新作『クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」』が、ニンテンドースイッチ用として発売されました。

 ニンテンドースイッチ向けには、2021年にも『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~』というゲームが発売されています。この作品は、しんちゃんが家族で訪れた熊本の田舎で、虫とりや魚釣りをしたり、町で知り合った人のお手伝いをしたりして、夏休みを満喫するという内容。

 日本の原風景で遊ぶしんちゃんを通じての体験が、幼い日の記憶を呼び起こし、なんとも懐かしい気持ちになるゲームでした。ベテランのゲームファンなら「『ぼくのなつやすみ』の綾部和氏が参加した」と言えば、ピンと来るのでは?

 そして、同じスタッフによる最新作にあたるのが、『クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」』です。今回、野原家がやってきたのは秋田の農村で、ひろしの出張にともない、古民家を借りてしばらく滞在することになります。

『クレしん』と言えば、漫画やテレビアニメでは野原家の日常がドタバタとつづられている一方、映画版では戦国時代や西部劇の世界に迷い込むなど、非日常的な冒険が感動的に描かれていて、オトナにも人気ですよね。

 そして、今回の『炭の町のシロ』をいざプレイしてみると……まさに、新しい「非日常的な冒険」が待っていたんです!

■秋田の美しい田園風景を「ケツだけ星人」で駆け回る!?

 プレイヤーが「しんちゃん」となって里山を自由に駆け回って、魚釣りや虫とりといった遊びができるのは前作同様で、水彩画のように美しい田園風景に不思議となじむ、アニメタッチで2等身のしんちゃんにほのぼの。「ブリブリ~、ブリブリ~」とケツだけ星人の姿で走り回ることもできます(笑)。

 秋田での野原家は、朝ごはんをみんなで食べて夜は川の字で寝る、ふだんの毎日をのんびり送りつつ、夜の田んぼでホタルを見つけたり、囲炉裏できりたんぽ鍋を囲んだりという新鮮な体験もできて、十分に非日常的です。

 ただ、それ以上に「不思議な別世界」がしんちゃんを待っていました。ある日、全身をすすだらけにしたシロを追いかけて、レトロな電車に乗り込むと、炭鉱とそこで働く人々の生活感あふれる「炭の町」へと迷い込んでしまうのです。

 その日からは、秋田の村に加えて「炭の町」もしんちゃんの遊び場に。気のいい人々と交流し、お手伝いをしたり、トロッコでレースをしたり、一緒に銭湯に入ったりして楽しく過ごせます。

 食堂では、秋田の村で採った魚や育てた野菜などを使って、女将さんと一緒にメニューを考える、なーんてお手伝いも。つまり、秋田の村と「炭の町」とを行き来して、幅の広い遊びに精を出せるワケです。楽しさ2倍ですが、忙しさも2倍! ゲームの中の時間はあっという間に経過し、アレもしたい、コレもやらなきゃが止まりません。

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