2023年9月にはじまった現在放送中の『仮面ライダーガッチャード』では、一際目を引く子役がいる。それは、“冥黒の三姉妹”のアトロポスを演じている沖田絃乃(おきた・いとの)さんだ。その姿はどう見ても末っ子に見えるが実は長女という設定で、姉妹のなかでも1番強力な錬金術を使う強敵だ。一方、素顔の沖田さんは2014年生まれの現在9歳、これからの活躍が楽しみな女優である。
沖田さんのように『仮面ライダー』シリーズでは、これまで多くの子役が出演してきた。なかにはその後も芸能の仕事を続け、今や人気俳優になった人も少なくない。そこで今回は『仮面ライダー』シリーズに子役として出演していた名俳優たちの初々しい姿を紹介していく。
■勇敢な少年仮面ライダー隊員『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』恒松祐里
2021年のNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』シーズン2でヒロイン・乃木真梨子役をつとめ、妖艶な演技で話題になった女優・恒松祐里さん。彼女も、かつて子役として『仮面ライダー』作品に出演していた一人だ。
恒松さんと言えば、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』で主人公の親友で明るい野村明日美役を演じたこともあり、現在は非常に快活な印象だが、意外にも幼稚園の頃の彼女は非常に照れ屋な性格だったという。それを心配した両親がオーディションを受けさせ、2011年公開の『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』への子役出演につながった。
本作は、仮面ライダー生誕40周年を記念した劇場作品で、上映当時放送中のライダーだったオーズと人気の電王を中心に、歴代のライダーや石ノ森作品の特撮ヒーローたちが登場するお祭り的な作品である。
当時12歳だった恒松さんは、白い帽子と太めの赤いネクタイがかわいい少年仮面ライダー隊の一人・ノッコとして出演。1971年の過去の時代で仮面ライダー1号・2号を助ける正義感に溢れる少女を演じていた。照れ屋な性格がきっかけではじめた子役の仕事だったというが、劇中では自転車でショッカー戦闘員に立ち向かう勇敢な姿を見せていた。
■泥団子を作って…“いじめっ子”を演じていた『仮面ライダー555』染谷将太
次は、『仮面ライダー555』に出演していた染谷将太さんを紹介する。
染谷さんは、2013年『ヒミズ』、『悪の教典』で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』では、主人公・明智光秀の主君となる織田信長を演じるなど、今や日本を代表する実力派俳優である。
染谷さんは7歳の頃から子役として活動をはじめ、2003年『仮面ライダー555』第37話「カイザの正義」に出演。そこでは養護施設・創才児童園フレンズホームで暮らす子どもの一人として登場している。
いじめっ子として「せっかく俺たちがお前のために作ってやったんだろ さっさと食え」と、鈴木照夫という少年に泥団子を手にして迫るも、その後、大人に見つかり「逃げろ!」とその場を走り去る。出演時間こそ短かったものの、染谷さんの印象的な強い瞳は当時から際立っていたように思う。
ちなみに、このときいじめられていた少年のなかには、本作の最強の敵となる“オルフェノクの王”であるアークオルフェノクが潜んでいた。染谷さんらいじめっ子たちは、実はかなり恐ろしい行為をしていたことになる……。