異世界系アニメでは、主人公が異世界への転生や転移をきっかけに成り上がる展開が多いが、最初は不利な状況から始まるというのもやはり定番。中でも、役に立たなさそうな「外れスキル」を引いてしまったと思いきや、実はそれが強すぎたという展開も王道である。
そこで今回は、異世界系アニメに出てくる実は強すぎた「外れスキル」を見ていこう。
■『とんでもスキルで異世界放浪メシ』の「ネットスーパー」
ごく普通のサラリーマンだった主人公・向田剛志(通称ムコーダ)が、異世界に召喚されて活躍する『とんでもスキルで異世界放浪メシ』。
本作でムコーダは、「ネットスーパー」というスキルを中心に使うこととなる。「ネットスーパー」はムコーダの転移前の世界、つまり現代の日本のスーパーから商品を取り寄せることができるというスキルだ。
モンスターが闊歩する異世界において、「ネットスーパー」は戦闘力にはなりづらいし、同時に召喚された他の3人は「聖剣術」や「火魔法」などさまざまな固有スキルを持っていた。つまりムコーダの異世界生活は「外れスキル」からスタートしたというわけである。
しかし、旅の食事といえば干し肉や硬いパンが主流の異世界において、現代スーパーの商品は未知のものであった。そんな食材を使ったムコーダお手製の料理に周りは魅了され、それをきっかけに次々と強力な仲間が増えていく。また食べることでステータスアップ効果も付与されるので、戦力も強大に。結果的には「ネットスーパー」は強力な補助スキルとなった。
作中では、ムコーダの料理テクニックも相まって効果が発揮される「ネットスーパー」。しかし仮に料理下手であっても、慣れ親しんだ安全な食材を簡単に手に入れられるだけでも、異世界における生活面ではかなりの強スキルであろう。
■『農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。』の「農民関連スキル」
『農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。』の舞台も異世界なので、やはり、戦闘力がものを言う世界である。タイトルに入っている「農民関連のスキル」など、普通に考えれば戦闘ではまったく役に立ちそうもない。
主人公のアルは、平凡な農民として畑を耕しながら暮らしているが、「超一流の農民」を目指して農民関連のスキルばかりを上げていた。
そんなある日アルの努力は報われ、すべての農民スキルがレベル10に到達することに。すると農民スキルは「自然を愛するもの」というスキルに変化し、なぜか攻撃力をはじめとしたあらゆるステータスが最強になってしまった。
何の気なしにドアを開ければノブが破壊され、ドラゴンに野菜を投げつければその巨大な身体が弾け飛び……と、それはもうとんでもない強さを発揮するようになる。
脈絡もなく最強になってしまったという感じはするものの、スキル制のゲームでは、関係の無いスキルを上げると、意外な強力ジョブになれたりするものである。ファンタジーゲームの世界と類似している本作の世界観では、それほど突飛な話でもないのかもしれない。