『ドリトライ』“ド級のリトライ”に『タカヤー夜明けの炎刃王ー』“THE ENDォオ!!”…パワーワードを残した「ジャンプの打ち切り漫画」3選の画像
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 人気漫画の裏に打ち切り漫画がある。とくに入れ替わりが激しい『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載を続けていくのは難しく、なかにはストーリーの途中でその幕を閉じてしまうことも少なくない。好きな漫画が打ち切りの憂き目にあったときのファンの哀しみたるや……。

 そんな打ち切り漫画だが、人気作に劣らぬ強烈なインパクトを残したタイトルも多い。今回は短い話数でありながら読者の心に「パワーワード」を刻んだ、『ジャンプ』打ち切り漫画を紹介しよう。

■「ド級のリトライ ドリトライだ!」『ドリトライ』

 まずは、2023年にネット上で大流行したワードを生み出した『ドリトライ』(雲母坂盾氏)だ。本作は、2023年5月に連載が開始された「戦後×ボクシング」漫画である。

 舞台は昭和21年。大戦で妹と二人きりになってしまった少年・大神青空が、ボクシングで世界チャンピオンを目指していく物語だ。どんな逆境でも諦めない“心の強さ”を武器に奮闘する青空が見どころだったが、全19話で連載を終了した。

 第17話で青空は行方不明になっていた父親・大神夕日と壮絶な死闘を繰り広げる。夕日の常人離れした猛攻に心が手も足も出ない青空。だが、今まで自分を支えてくれた人たちを思いだし、父に叫ぶ。

「でも ただのリトライじゃねぇぞ」
「何度でも心の強さで立ち上がり 前に進む」
「ド級のリトライ ドリトライだ!」

 最終回目前のタイトル回収、なにより「ド級のリトライ」という独特の意味に読者は騒然。「ド級のリトライ」はネット上で瞬く間に広がり、原作終了後もネットミームとして定着したのだ。

『ドリトライ』終了後、作者の雲母坂氏は新作読み切り『THE NINJAS』を発表するなど、漫画家として精力的に活動を続けている。個人的には2022年、電子書籍サイト『ジャンプ+』(集英社)で発表された読み切り『心が強ぇんだ』も、掛け値なしの名作だと個人的に思うので、今後の雲母坂氏の連載の発表を楽しみに待ちたい。

■「よっしゃあああッッ THE ENDォオ!!」『タカヤー夜明けの炎刃王ー』

 次は、2006年に連載された『タカヤー夜明けの炎刃王ー』(坂本裕次郎氏)から。本作は当初『タカヤー閃武学園激闘伝ー』という名でスタートした学園格闘漫画だったのだが、途中からタイトルをそっくり変更する奇想天外な路線変更をおこなったことでも知られる漫画である。

 舞台も、現代日本から王道ファンタジーふうの異世界に方向転換。前話まで学園で過ごしていた主人公の火叢タカヤがいきなり異世界へ飛ばされた驚異の展開は、当時大きな話題となった反面、ファンの困惑を呼んだものだ。

『タカヤ』は路線変更のあとも残念ながら人気がふるわず、程なくして最終回を迎える。敵対する王国との戦争の最中、タカヤとヒロインのナギサ姫が見開きで必殺技を放ち……

「よっしゃあああッッ THE ENDォオ!!」

 そんなインパクト抜群のメッセージとともに本作は終了した。本来は寂しい打ち切りだが、「よっしゃあああッッ」というとても前向きな言葉とのギャップがすごい。型破りな路線変更とともに、読者に忘れられないインパクトを刻み付けたパワーワードといえるだろう。

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