■トラウマレベルマックスのホラー「笑わない子供」
怖さでいえば「笑わない子供」がトップクラスだろう。あらすじはもちろん、突如差し込まれる実写画像やキャラの形相も非常に怖かった。
ある日、月給100万円がもらえるという住み込みのベビーシッターの求人広告を見つけたフリーター・大島千佳。ノリの良い千佳は即採用され、さっそく赤ちゃんを紹介されるが、その子供は人形だった。
出オチ感が凄いが、恐怖はここから強まる。母親は人間のように人形を扱い、育児日記の強要・細かい散歩コース・深夜に赤ちゃんが泣いていると怒りだす、などなど異常な行動を取った。
さらにカメラで24時間監視しており、熱湯をかけるなど千佳への虐待もエスカレートしていく。千佳は人形相手に育児をする日々に参ってしまうが、大金が入ると我慢した。しかし、母親がお金を払わないと言い出したことでキレ、言い争いの末に「これは人形だ」と海に人形を放り投げてしまう。
周囲に激しく非難され、殺人容疑で送検された千佳はあれは人形だと訴えるが、海からは本物の赤ちゃんの死体が見つかる……。
しかしその後、監視カメラの映像により千佳が投げたのは人形だと判明するのだ。実はこの母親が自分で赤ちゃんを殺していて、バイトに罪をなすりつけようと罠をしかけていたのだ。初手のホラー演出から、二転三転する展開。一度見たら忘れられない強烈なエピソードだった。
■ヒトコワの極み!上司の気持ち悪さに震えた「異常な上司」
ヒトコワ系でインパクトが強かったのは「異常な上司」だ。主人公のOL・広瀬由美子は、陰湿そうな人相が印象的な上司からのネチネチした嫌がらせに耐えられず転職をする。
だが、しばらくするとそこに元上司が転職してきた。由美子が怒ると、元上司は「君が好きで嫌がらせをした」と突然、告白してくる。不快感を覚えた由美子は女性のみのエステに転職するが、そこにも新任オーナーとして元上司が現れる。
行き過ぎたストーカー行為に由美子は倒れてしまうが、「ここなら上司も来ない」と病院で働きだす。しかし元上司はそんなに甘くない。わざと事故にあって病院に担ぎ込まれ、血まみれの状態でプロポーズしてきたのだ。
強く断ったことでついに元上司は諦め、静かな日々が戻った。……と思われたが、後日シングルマザーの母親から「結婚したい人がいる」と言われ実家に行くと、そこにはニヤニヤと座る元上司の姿が……。行動力抜群のストーカー上司に鳥肌が止まらないエピソードだった。
野球中継の延長により番組の放送が流れてしまうことも多かったが、『週刊ストーリーランド』はトラウマエピソードがてんこ盛りで面白い番組だった。当時の視聴者には、それぞれ思い出深い作品があることだろう。実は最終回では「スペシャル番組として生まれ変わる」と告知していたが、実現することはなく令和を迎えている。番組が放送開始されて25周年となる今年。「スペシャル番組」の放送を待つ、当時のファンは多いのではないだろうか。