『幽☆遊☆白書』の名作ゲーム生んだ『メガドライブ』30周年迎えた幽助ら描く外伝作品もの画像
メガドライブ用ソフト『幽☆遊☆白書外伝』(編集部撮影)

 1990年代の『週刊少年ジャンプ』を代表する冨樫義博氏の漫画『幽☆遊☆白書』。昨年12月には北村匠海が主人公・浦飯幽助を演じたNetflixでの実写ドラマが配信されたことも大きな話題となりました。

 90年代の『ジャンプ』の漫画といえば、『ドラゴンボール』から『SLAM DUNK』に『ろくでなBLUES』まで、数多くの作品がさまざまなハードでゲーム化されてきましたが、『幽☆遊☆白書』については大乱闘が売りの『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』(トレジャー)が名作と名高いタイトルで、「メガドライブ」の印象が強いという人も多いはず。今回は数々のハードで発売された『幽☆遊☆白書』ゲームの中から、その中でも一風変わっていた、今年で30周年を迎える『幽☆遊☆白書 外伝』(セガ)を振り返ろうと思います。

■暗黒武術会直前の数日間を描いたアドベンチャーゲーム

『幽☆遊☆白書』は、序盤を除けばほぼ『ジャンプ』らしいバトル漫画です。それを踏襲して、ゲームのほうもバトルものやアクションものが多いのですが、今から30年前となる1994年1月28日にメガドライブで発売された『幽☆遊☆白書 外伝』は、珍しいアドベンチャーゲームなのです。

 物語は序盤の山場である暗黒武術会直前の2日間を描いたオリジナルストーリーで、幽助、桑原、飛影、蔵馬の4人の個別エピソードが展開。すべてのエピソードをクリアすることで4人が合流してラストエピソードへつながるといった構成になっています。幽助と桑原のストーリーはコミックでもありそうなエピソードでしたが、盗賊時代の相棒と戦う飛影のエピソードや、誘拐された母親を助ける蔵馬のエピソードは、キャラの深堀りがされているようで興味深いものでした。

■街を巡って謎を解くアドベンチャーだけど、バトルはなぜかアクション!?

 コエンマの依頼を受けて街の妖魔に対処することになる4人。ゲームとしては総当たりのアドベンチャーゲームで、比較的サクサク進みます。グラフィックスはテレビアニメの『幽☆遊☆白書』っぽいもので、キャラクターの再現度は結構高いと言えるでしょう。しかし、90年代当時のアダルトゲームっぽいチープさも全体的に漂ってて、メインキャラクター以外のキャラはどこか微妙な感じは否めません。

 そして、話を進めていくことで挿入されるバトルは、なんとアクション! キャラを移動させつつパンチとキックを主体に、方向キーと組み合わせて特殊攻撃や必殺技、ときにはガードなども駆使して妖魔と戦っていきます。敵の背後に回って攻撃し、すぐに離れるヒットアンドアウェイ戦法でおおむね何とかなる緩めのバランスで、当時多かった『幽☆遊☆白書』の熱烈な女性ファンも購買層の視野に入ってるのかなかなと思わせるものでした。……メガドライブが女性向けかといえば、それはないと断言できてしまうのが悲しいところですが。

■手を出しづらいのが残念! 『幽☆遊☆白書』ゲームをまとめて復刻とかいかが?

 バトル漫画らしくスーパーファミコンでもメガドライブでも、『幽☆遊☆白書』キャラが対戦するタイプのゲームが数多く発売されています。とくに冒頭にも書いた、トレジャー開発によるメガドライブの『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』は後の『ガーディアンヒーローズ』や『BLEACH DS』に繋がる4人同時乱闘もできる対戦格闘ゲームの名作で、近年では「メガドライブミニ」で、プレイされた方もいると思います。

 それと比べると、どうしても見劣りしてしまう『幽☆遊☆白書 外伝』ですが、オープニングのビジュアルが素晴らしかったり、メガドラらしい音色のサウンドがやけに恰好よかったりとファンならばやっておきたいタイトルでしょう。

 とはいえキャラゲーの宿命か、現在は試しに遊んでみるには中古市場が高くなっているのも事実。実写ドラマ配信で盛り上がったこの機会に『幽☆遊☆白書』のゲームをまとめて復刻してほしいと願うばかりです。