もう少し目立ってもよかったのに…歴代『ガンダム』で”高性能”なのに見せ場が少なかったMS3選の画像
『機動戦士ガンダム』DVD-BOX1(バンダイビジュアル)

機動戦士ガンダム』シリーズでは、映像化されていない作品も含めると、数多くのモビルスーツが存在する。ガンダムタイプのようにワンオフで特別な戦闘能力を持つモビルスーツや、ザクIIのように特化した能力はなくとも優れた汎用性能を持つモビルスーツまでさまざまだ。しかし、なかにはガンダムに負けず劣らずの高い性能を持ちながら、あまり見せ場がないモビルスーツも存在する。

 そこで今回は『ガンダム』シリーズで登場した「“高性能なのに”見せ場がなかったモビルスーツ」を3機ピックアップ。その特徴と登場シーンを振り返ってみよう。

■ガンダムがベースの量産機!特殊な形状が特徴

 最初に紹介するのは、ティターンズの量産型モビルスーツである「バーザム」。1985年から放送された『機動戦士Zガンダム』に登場した機体だ。

 バーザムは、地球連邦軍の主力モビルスーツであるジムや、ジオン公国軍のモビルスーツであるザク・ドムなどとは異なる形状を持つ。巨大なモノアイカメラを搭載しているため、視聴者としては敵のイメージが強かった。また、鶏のトサカのような長いアンテナも印象を残している。

 見た目のインパクトとは裏腹に、作中では目立った活躍をしていない。第35話「キリマンジャロの」で、地球に降下するZガンダムと百式の追撃として、ヤザン隊に配属・投入された。ティターンズが開発した最後の量産型モビルスーツのため、その後も運用されたはずだが、作中でのおもな活躍はここだけだ。

 しかし、実のところ、バーザムはガンダムMk-IIをベースに設計されているため、量産機としては破格の性能を持っている。その技術が、連邦軍量産型モビルスーツの集大成であるジェガンに引き継がれていると考えれば、能力の高さは疑う余地もないのだ。

■最たる異形!ジオン公国軍の水陸両用モビルスーツ

 続いて紹介するのは、1979年に放送された『機動戦士ガンダム』で、ガンダムと死闘を繰り広げた、ジオン公国軍の水陸両用モビルスーツでもっとも巨大な「ゾック」。

 ジオン公国軍の水陸両用モビルスーツといえば、異形とも言える形状が特徴的だが、ゾックは見た目も性能も最たるもの。驚くべきは、左右ではなく前後対称のデザインだろう。これは180度の転回が遅かったり、水中での機動性能を上げたりするためと言われている。

 作中では第29話「ジャブローに散る!」で、シャアに「こんなモビルスーツ使えるのか?」「見かけ倒しでなければいいのだがな」と酷評される始末。実際、ガンダムに撃墜されてしまい、以降は見ることがなかった。

 しかし、ゾックは連邦軍ジャブロー基地攻略の際に、入り口を発見するという大きな成果を上げている。さらに、一見鈍重だが水中での機動性は高いうえ、頭部と肩に搭載されたメガ粒子砲は強力の一言に尽きる。その出力はザクIIの3〜4倍とも言われ、水陸両用モビルスーツのなかではトップクラスの性能だ。

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