『はいからさんが通る』冬星に『ときめきトゥナイト』圭吾も! 昔の少女漫画によくあった… イケメンなのに“ひどいフラれ方”をする男たちの画像
デザートコミックス『はいからさんが通る』新装版第1巻(講談社)

 昔の少女漫画のヒロインは基本的によくモテた。お目当ての彼から好かれるのはもちろん、幼なじみの男の子や、彼の親友などから想いを寄せられているケースも多い。

 そのため、イケメンでいい人なのに、主人公の相手でないことからフラれてしまう男性キャラも。しかも演出上しかたないとはいえ「そのフラれ方はトラウマになるのでは?」といったかわいそうなケースも多いのだ。そこで今回は昔の人気王道漫画から、ヒロインにひどいフラれ方をするイケメンキャラを紹介したい。

■最悪なフラれ方!? 結婚式当日に花嫁を奪われる『はいからさんが通る』青江冬星

 まずは大和和紀氏の代表作品である『はいからさんが通る』から、主人公・花村紅緒の上司である青江冬星のフラれ方を紹介したい。もともと女性が苦手な冬星であったが、自分の出版社で働く紅緒とかかわりを持つうちに紅緒に惹かれていく。しかし紅緒には伊集院忍というフィアンセがおり、冬星の実家が忍の実家の債権者という結びつきがあった。

 忍の実家の抵当権を取り返すため、冬星は編集長をやめる決断をする。それを知った紅緒は感謝の気持ちから冬星との結婚を決め、晴れて2人は式を挙げることに。しかしその当日関東大震災が起こり、混沌の中負傷した紅緒を救ったのは、フィアンセである忍であった。2人が愛し合っていると分かった冬星は、「もう 二度と伊集院を離すんじゃないぞ」というセリフを残し立ち去る。

 優しい冬星は大好きな仕事を彼女の想い人のために捨てようとし、震災時はケガをした蘭丸を背負い、その後紅緒を奪った忍にまで手を貸してサポートしている。こんなに良い人が結婚式当日に花嫁を奪われてしまうなんて……。数あるフラれ方の中でも、一番経験したくない部類に入ると言えよう。

■自分が寝ているそばで想い人が他の男に告白『ときめきトゥナイト』筒井圭吾

 1980年代に人気を誇った池野恋氏の『ときめきトゥナイト』にも、かわいそうなフラれ方をする男の子がいる。第一部の主人公、江藤蘭世はクラスメイトの真壁俊に想いを寄せる魔界人の女の子。そんな蘭世に想いを寄せるキャラは大勢いるが、気の毒なフラれ方をしたのが筒井圭吾だ。

 圭吾は蘭世の父親の小説が映画化されたとき、主役に抜擢されたイケメンの少年だ。蘭世とも仲良くなり、学校の文化祭に招待され1曲歌うことに。そこで蘭世への想いを込めたラブソングを披露するのだが、大勢のファンに押し倒され失神してしまう。

 保健室で圭吾を介抱する蘭世だが、そばにいた俊に“お前にはこいつ(圭吾)が似合っている”などと言われ、思わず涙ぐむ。そして「どうしてそんないいかたするの」「わたしの好きな人は 真壁くんだけなんだもの…」と圭吾が寝ている横で俊に告白するのであった。

 2人が出て行った後、そっと目を開けた圭吾は「まいったな…」とつぶやき、頭を抱えて絶望する。彼女のために歌ったラブソングは届かず、自分が寝ている横でまさかの俊への告白。圭吾は基本的に良い人なだけに、このフラれ方はちょっと気の毒であった。

  1. 1
  2. 2