『恐竜戦隊ジュウレンジャー』や『仮面ライダーBLACK』にも… 昭和の特撮作品に多かった? 予告とサブタイトルで“ヒーローの死”が分かってしまった問題回の画像
恐竜戦隊ジュウレンジャー DVD-COLLECTION VOL.1 [DVD]/TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

 子どものころから、特撮モノの本編終了後に流れる予告編が大好きだった。激闘の興奮が冷めやらぬ中、ちょっとしたオマケ感がうれしく、それを観ては続きが待ち遠しくなったものだ。

 しかし中には(昔の作品ほどあるあるなのだが)、ていねいすぎる次回予告とそこで明かされるド直球なサブタイトルで、盛大なネタバレを起こしている残念なものもあった。それがヒーローの生死にかかわる衝撃の内容だったらなおさらだ。

 そこで今回は、次回予告とサブタイトルでヒーローの死が分かってしまった、“特撮作品の問題回”を紹介する。今ではちょっと考えられないような予告とサブタイトルたちだ。

■人気戦士の殉職ネタバレ『恐竜戦隊ジュウレンジャー』第42話「ブライ死す…」

 1つ目は、1992年放送の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』から。『ジュラシック・パーク』をはじめとする恐竜ブームの真っ只中に作られた『恐竜戦隊ジュウレンジャー』は、恐竜をモチーフにした初めての戦隊ヒーローだった。それまでの恐竜は怪獣を連想させ、悪役というイメージが強かったのだが、本作を境に2003年『爆竜戦隊アバレンジャー』、2013年『獣電戦隊キョウリュウジャー』とヒーローモチーフの定番となる。

 6人目の戦士(追加戦士)を定番化させたのも本作で、第17話で初登場し他の戦士5人を圧倒する力を持つドラゴンレンジャー/ブライは、まさに“遅れてきたヒーロー”として大人気となった。

 実は今回紹介する問題回も、その6人目の戦士ブライが絡んだ第42話。実は、ブライはかりそめの命であることが作中で明かされており、前々から死亡フラグが立っていた。

 そんな中、第42話の予告編では「残り3時間 最期まで地球を守ろうとするブライ!」とナレーションでいきなり告げられ、映像はそのブライが懸命に戦う姿が(その時点でなんだか雲行きが怪しい)。そして極めつきに、ポックリと息を引き取るブライとサブタイトルで大きく「ブライ死す…」の文字……。この壮絶なネタバレには、当時の視聴者も面喰らったことだろう。

 翌週放送された本編では、ブライを救う唯一の望みである“命の水”を賭け、ブライや他の戦士が必死に頑張る。しかし結局命の水はブライには効果がないことが分かり、予告編とサブタイトルが示したように、大人気の6人目の戦士が死んでしまう非常に悲しい回となった。

■直接対決の行方をネタバレ『仮面ライダーBLACK』第47話「ライダー死す!」

 2つ目は、1987年放送の『仮面ライダーBLACK』から。原点回帰を意識しながらも、新たなライダーの造形とハードなストーリー展開が人気の作品だ。2022年に『仮面ライダー BLACK SUN』として、西島秀俊さんと中村倫也さんのW主演でリメイクされたことからも、その人気の高さがうかがえるだろう。

 さらに本作の特徴として、敵組織にも“シャドームーン”という仮面ライダーと同格の改造人間の存在があることが挙げられる。現在では定番である“ライダーVSライダー”の構図もここから始まったのだ。

 ここで紹介する問題回もそのシャドームーンが絡んだ第47話だ。予告編では、仮面ライダーBLACKとシャドームーンの直接対決という激アツシーンが繰り広げられた。その後、「シャドームーンの魔剣がライダー目がけて振り下ろされた!」というナレーションに続いて、「ライダー死す!」の言葉とともにBLACKの胸に剣が突き刺さる……。

 翌週放送された本編では、予告通り仮面ライダーBLACKとシャドームーンの激闘があり、やはりシャドームーンが剣を突き立てて勝利。「仮面ライダーは死んだ 長く苦しい戦いの末、死んだのだ もはやこの地球を救うものはいない」という悲しいナレーションでこの回は終了する。

 その次の週、BLACKはクジラ怪人によって蘇生され、そのまた次の第49話で見事復活する。ちなみにその第49話のサブタイトルは「激闘!ダロムの死」であり、敵組織ゴルゴム三神官のリーダーであったダロムの死も、あっさりネタバレされていた。

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