■女性バディが法律で人を守る『カバチタレ!』常盤貴子さん&深津絵里さん
最後は、1999年から『モーニング』で連載が始まった監修・青木雄二さん、原作・田島隆さん、作画・東風孝広さんの『カバチタレ!』を振り返ってみたい。同作は行政書士事務所が舞台。弁護士や警察官のドラマは多いが、行政書士を軸に置いた作品は珍しいといえるだろう。
実写化ドラマは2001年からフジテレビ系列で放送され、様々な依頼人が抱えるトラブルを法律で守っていくという物語である。原作の主人公は男性キャラだったがドラマ版の主人公は女性に変更されていて、常盤貴子さんと深津絵里さんが主演を務めた。
法律を扱うドラマにするとややもすると堅苦しい内容になってしまうが、同作はそれがわかりやすく描かれているうえにコメディチックのため、視聴者がスムーズに話に入り込める作りになっていた。
深津さん演じる栄田千春は切れ者・頑固・強気なビジネスウーマンタイプ。一方の常盤さん演じる田村希美は正反対で、人情味があり正義感が強く心優しいタイプである。
そんな凸凹コンビだからこそ、嚙み合っているようで噛み合わない二人のやりとりは非常に面白かった。話が進むにつれ友情が深まり、親友になっていく様も見どころの一つだろう。
『踊る大捜査線』もそうだったが、深津さんが演じる“戦う女”はスカッとする。同作でも、依頼主を追い詰める対象者に正面からぶつかり論破していく姿が痛快だった。
同作では他にも、岡田浩暉さん、篠原涼子さん、山下智久さん、陣内孝則さんといった豪華かつ演技派な俳優が脇を固めて物語を盛り上げている。
これらの作品を振り返ってみると、どの作品も女性バディたちは性格がさっぱりしていて二人の関係性も付かず離れずの絶妙な距離感である。もちろんストーリーの面白さやテンポの良さも大切なポイントだが、そういった”さっぱり感”が老若男女問わず多くの視聴者から支持を得たのかもしれない。