■フサフサの羽根つきシリーズ
最後は、ふわふわ(に見える)「羽根つき」シリーズをみていきたい。戦いの際に顔周りに羽根があるとかさばって邪魔になるが、華やかに見えるため権力を示すにはうってつけのデザインである。羽根シリーズはあまりバリエーションがなく、登場回数も少なめだった。
印象的だったのは、聖帝十字稜に視察に行ったときのものではないだろうか。このカブトには、頭頂部から胸ほどまである馬のたてがみのようなフサフサがついており、他のカブトに比べて後ろ姿が格好良く見える。
全体のバランスを取るためか、顔横のツノはやや小ぶりに変更されていた。しかし、額の紋章の下についた丸い装飾はそこから伸びるナイフのような尖った装飾と繋がっており、正面から見ると王冠のような高貴なデザインだといえる。
無抵抗の村に侵略に行ったときも、フサフサの羽が特徴的なカブトを被っていたラオウ。このカブトは結構個性的で、頬あてのやや後ろから大きな鳥の羽のようなものが付いている。これがどんな素材で出来ているのか気になるところだ。
頭頂部には長いトサカが1本だけ生えていて、頬あてにはほかのカブトにはない稲妻のようなマークが入っている。全体的に決して悪いデザインではないのだが、トサカと鳥の羽が思いのほか大きく、筆者はこのデザインに対してカッコ良さと可愛さが入り混じったような印象を持った。
世紀末という荒廃した世の中でも、ラオウのカブトはいつも豪華だった。ウイグルやラオウの部下もカブトを被っていたが、カッコよさはラオウのものとは比べ物にならない。ディティールの細かさからみても、彼のカブトは一流の職人が丹精込めて作っていることが分かる。