■最大の見どころ?!唐突なストリートファイター実写とジャッキーの春麗コスプレ

 香港版『シティーハンター』を語る上で欠かせないのが、ゲーム『ストリートファイター2』の実写シーンだろう。何がどうしてそうなったのか、ゲームセンターでの戦闘中に吹き飛ばされたジャッキーが『スト2』の筐体に体ごと突っ込むことで、シティーハンターとはなんの繋がりもない『スト2』の実写化が始まるのである。  

 目の前に現れたのはケン。ジャッキーにいきなり攻撃をしかけ、蹴られたジャッキーが偶然にキャラ選択画面を触れ、今度はコスプレ感マックスなエドモンド本田が出てくる。さらにダルシムとガイルも登場し、カオスな実写バトルが始まるのだ。しかもこの『スト2』キャラたちがとても細く、突っ込みを誘う。

 カオスな『スト2』実写だが、笑いのピークはその後に登場するジャッキーの春麗コスプレだろう。ケンがガイルたちを倒すと、次は壁にはられた各キャラのパネルから”ジャッキー春麗”が飛び出してくるのである。数多いキャラの中でなぜ春麗なのだろうか……。

 春麗のメイクと衣装でキメ、女性らしい動き方や表情もしていたが、やはりどう見てもジャッキーにしか見えない。しかし、妙に似合っていたうえに「やったー」ポーズなどは「ちょっと可愛い」とさえ思ってしまうから不思議なものだ。

 他には、まったくストーリーとは関係ないとんねるずの「ガラガラヘビがやってくる」の広東語バージョンのライブが流れるというのもツッコミどころの一つだろう。しかも、これをほぼフルコーラス歌いきる。観客の多くは「長くない?なにが起こっているの?」と謎に包まれたはずだ。

 ツッコミどころ満載で、賛否を集めた香港版の『シティーハンター』。原作の実写化として見るのではなく、頭をからっぽにしてジャッキー・チェンの動きを楽しむ気持ちで見てほしい。

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