1986年にコナミからファミリーコンピュータ用ゲーム『悪魔城ドラキュラ』が発売されて以来、多くの続編、派生タイトルが発売されました。そのなかでも人気となると、新たなるジャンル「メトロイドヴァニア」の語源の一つでもある『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』を挙げる人が多いのではないでしょうか。私も面白いゲームだと思いますし夜を徹してプレイしたゲームですが、『ドラキュラ』シリーズで最高の一本となるとファミコン『悪魔城伝説』を挙げないわけにはいきません。
■「悪魔城ドラキュラ」より百年も前の世界を描いた傑作アクション
『悪魔城伝説』は今から34年前の1989年12月22日に発売されました。『ドラキュラII 呪いの封印』はアクションRPGでしたが、本作は『悪魔城ドラキュラ』ゆずりの純粋なゴシックホラーアクションとして帰ってきたのです。
基本的なゲームシステムは、ステージクリア型の横スクロールアクション。ディスクシステムからカセットになったり、ステージクリア時に次のステージを選べるなど変わったところは多々ありますが、最大の特徴はプレイアブルキャラクターが3体も増えたことではないでしょうか。ゲーム開始時に使用できるキャラクターはベルモンド家のヴァンパイアハンター、ラルフ・C・ベルモンドだけですが、ステージを進めるとグラント、サイファ、アルカードといったキャラのなかからひとりをパートナーとして選び、操作キャラを切り替えながらプレイできるのです。
■個性的なパートナーキャラのおかげで、ラルフの影が薄くなる……?
ラルフは鞭をメインウェポンとして、十字架や聖水、斧などのサブウェポンを使う歴代主人公と同じタイプ。ですがパートナーキャラは、それぞれ個性的な特徴を持ち合わせています。グラントは飛び道具のナイフと強力なジャンプ力を武器に、壁や天井に張り付きながら移動が可能。サイファは3種類の魔法、アルカードは3方向に炎を放ち、さらにコウモリに変身して空を飛べるという特徴があるのです。
3人のパートナーのうち、ひとりだけ連れて行くことができるのですが、どれも攻略という面ではラルフを大きく凌ぐポテンシャルを秘めています。例えば上や下への強制スクロールステージでは壁や天井に張り付くグラントや、空を飛んでいけるアルカードがいると便利ですし、敵がひしめき合っているステージでは、誘導弾による攻撃が可能なサイファが光ります。
何度もゲームをプレイして攻略法が分かってくると「ラルフいらなくね?」となるほど。もちろん、誰もパートナーに選ばずくラルフ一人でもクリアできる良バランスのゲームではあるのですが、エンディングでひとりドラキュラ城の崩壊を見ることになってちょっと寂しいので、やはりプレイするなら誰かを連れて行くことをお勧めしたいですね。