ソフビにファミコンソフト…昭和のクリスマスプレゼントに何をもらった? 心に残るものや間違えて買ってこられた懐かしい思い出の画像
photoAC

 “クリスマスの思い出”といえば、幼少期までだった。自営業で忙しかった両親は筆者が小学生に上がるころには“サンタクロースはいない”なんて断言しており、涙ながらにランドセルを抱きしめていた……。

 大人になってみると忙しいなか育ててくれたことに感謝できるが、やはり当時は悲しかったもの。3人の我が子たちにはそんな思いをしてほしくないので、我が家には今も毎年サンタクロースが来る。

 さて、そんな筆者の子ども時代だが、両親の店の手伝いをし、なんとか買ってもらったクリスマスプレゼントがいくつかある。クリスマスの今日、懐かしい昭和のクリスマスプレゼントを振り返ってみよう。

■プレゼントはチキンとケーキ! 実はこれが一番嬉しかった

 筆者にとってクリスマスといえば、プレゼントよりも普段は食べられないチキンとケーキが最高の思い出だった。

 今のご時世、24時間いつでもスーパーやコンビニでチキンやケーキを買えるが、1980年代前半はそうではなかった。当時、大阪市内に住んでいたが「ローソン」なんてそうそうないし(実は1号店が大阪(1975年))、大阪や兵庫ではお馴染みの「スーパー玉出」も近くになかった。

 我が家では誕生日にホールケーキという習慣がなく、あってもロールケーキ。ショートケーキはご褒美の時だけだった。ただ、クリスマスは唯一、ホールケーキを買ってもらえる日だったから、すごく嬉しかったものだ。

 とはいえ、両親は年中深夜まで店を営業していたし、兄は友達との交友や部活、塾といろいろとお盛んで家族は時間がバラバラ……なので、お祝いは一人でするしかない。本当にひとりぼっちだったなあ。

 そして、ハイソックスをタンスにぶら下げておくと、そこに小さなお菓子や文房具程度のプレゼントが入っていた。幼稚園児だった当時、無性に嬉しかったのを覚えている。

■超合金やソフビにハマった! 嬉しかったはずの『太陽戦隊サンバルカン』…もどきだった?

 幼児期は超合金やソフビで遊んでいたが、小学生に上がってからも買ってもらっていた。これは低学年ながら店の開店準備や営業中にも接客を手伝っていたため、お小遣いとしてクリスマスシーズンに買ってもらったものだ。筆者的にはあくまでも労働の対価であり、サンタクロースからのプレゼントではない。

 当時は、あの頃流行ったロボット系の超合金や特撮系のソフビにハマったものだ。夜は一人でいることが多かった筆者にとって、ファミコンも手元にない時代はこれらが遊び相手だった。

 嬉しかったのは、好きだった『太陽戦隊サンバルカン』の「バルパンサー」のソフビを買ってきてもらったとき。学校帰り、とても嬉しかったものである。母が買い物帰りに商店街の老舗おもちゃ屋で購入したそうだが、数カ月してから何か変だと気付いた。

 なんと、バルパンサーの胸に太陽のシンボルがない……。インターネットもないので確認しようがないのだが、外観的にキレンジャーでもないはず。あれ? そういえばコスチュームはホワイトの「V」が入っているのだが、どことなくゆるやかでUにも見えなくない。

 未だに分からないのだが、もしかしてどこかのメーカーオリジナルの商品だったのかもしれない。そこで一人で店主に確認しに行ったのだが、明治生まれで80歳を超えていたため、もはやサンバルカンというキーワードを理解してもらえない……。そして、その商品もどこにあるのか分からないほど、たくさんのおもちゃが山積みになっていた。昭和の店舗“あるある”だろう。

 どうやら、母が手に取って購入したらしい。すでに外袋もなくなっていたし、もはや真相は藪の中。というか、あのおもちゃ屋って普段の発注はどうやっていたのだろう。

  1. 1
  2. 2