■「エロイムエッサイム」怖い漫画をさらに怖くしたトラウマ必至のキャラクターたち…悪魔くん
2023年11月よりNetflixでの新作アニメの配信も始まった『悪魔くん』。水木しげるさんの代表作のひとつである本作も、1966年に全26話でドラマ化されている作品だ。
本作は掲載誌やシリーズごとに主人公が変わるが、昭和に実写ドラマ化された悪魔くんこと主人公の少年・山田真吾は、召喚した悪魔・メフィストとともに妖怪や魔物と戦うことになる。原作漫画でも水木さんが生み出す恐ろしい妖怪がこれでもかと登場するが、特撮ドラマもそれに負けじと不気味なキャラクターに仕上げられている。
たとえば、体中に100個もの目を持つガンマーは原作の百目同様、醜くただれた体にギョロリとした目が無数に付けられた姿で、かなり怖い。
また、ドラマ第6話「首人形」で登場したマネキン妖怪について「トラウマ」という声は多い。
町を徘徊するマネキンというだけでも怖いのに、首が落ちると大きく裂けた口と一つ目だけの顔に変身し「ヒッヒッヒッ」と笑いながら口から吐くガスで人間をマネキンに変えてしまうのだ。視聴者に恐怖を与えてきた水木しげる映像作品の中でも極めて恐ろしいエピソードのひとつと言えるのではないだろうか。
他にも、昭和にはリアル過ぎて怖かった漫画やアニメの特撮ドラマが多い。たとえば、手塚治虫さんの代表作『鉄腕アトム』を1959年に実写化した際には、子役の少年がアトムの髪形を模したヘルメットのようなものを被り、さらにテカテカとした肉襦袢のような衣装を着こむというイメージの崩壊っぷり。挙げ句にドラマ最終回で、アトム役の少年がトンデモない真相をバラしてしまい視聴者を驚かせた。
技術や機材も乏しかった時代の特撮ドラマ。原作とはイメージの違うキャラが登場することもあるが、視聴者を楽しませようという作り手の試行錯誤の様子が伝わってくるものばかりだ。