ハットリくん、ボロット、悪魔くん!実際にいたらこんな見た目…? リアルすぎて「怖かった」昭和の実写化作品たちの画像
1966年放送のドラマ『忍者ハットリくん』デジタルリマスター版DVDより TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

 人気漫画を原作にした実写化作品について、ファンとしてはキャラやストーリーをどれだけ忠実に再現しているか期待してしまうもの。そのため作品の出来について、賛否両論が起きがちなジャンルではあるが、2023年11月23日より公開されたGACKTさんと二階堂ふみさんが主演の実写化映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』や、阿部寛さんをはじめ顔の濃い役者がローマ人を演じた『テルマエ・ロマエ』など、原作と演者に違和感のない実写作品が増えている。

 ところで、昭和時代の実写作品はリアルを追求し過ぎたせいか、原作イメージを崩したキャラクターが登場する作品も少なくなかった。近年になってそうした作品をあらためて見ると、モノクロの映像であることもあってか、原作のポップさとは随分かけ離れた世界観に驚かされることも。

 そこで今回は、リアルすぎて怖かった、昭和に作られた漫画やアニメのモノクロ特撮作品を探してみた。

■そうかもしれないがそうじゃない!見開いた目と口のインパクトの正体は?…忍者ハットリくん

 まずは、藤子不二雄A(安孫子素雄)さんによる『忍者ハットリくん』から、1966年に第一期、1967年に第二期、それぞれ26話放映された人気特撮テレビドラマを振り返りたい。

 ハットリくんといえばクリっとした大きな目、うずまき模様のほっぺ、への字口、…という容姿のかわいいキャラクター。忍者である彼は感情を顔に出さないため常に無表情だが、それを「お面」で表現したのがこちらの実写ドラマだ。

 薄ら暗いモノクロ画面に映し出されたのは、大きな「目」と長く裂けた「口」の“お面”を付けた子どもの身体のハットリくん。実際の彼の姿はこのような見た目なのかもしれないが、漫画や後のテレビアニメで見慣れた人にとって、その姿は正直に言ってかなり怖いものだろう。筆者が特に強烈だと感じたのが立体的に作られた唇で、原作漫画のかわいさが吹っ飛んだリアルな造形だ。さらに、就寝時も目を見開くハットリくんはホラーそのもので、今なお「怖い」「トラウマになった」と怯える視聴者も少なくないようだ。

 一方、「原作同様に面白い」や「丁寧に作られた作品」など、作品自体へは高い評価の声も多い。

■原作では小さく可愛いロボットが実写版で大きく不気味になった理由とは?…丸出だめ夫

 多くの人は「メガネをかけた男の子とロボットの漫画」と聞くと『ドラえもん』を思い浮かべるかもしれないが、今回は1964年より『週刊少年マガジン』で連載されていた森田拳次さんの『丸出だめ夫』を紹介する。

 本作はさえない小学4年生・丸出だめ夫が、科学者の父親と作ったポンコツロボット・ボロットとともに繰り広げるドタバタコメディ。1991年にはテレビアニメ化されている人気作だが、1966年に全52話でテレビドラマ化され、相棒・ボロットがなかなか意外な姿形で登場していた。

 原作漫画でのボロットは表情豊かで、サイズも小さく3頭身前後のかわいい姿。ところが、実写版のボロットは頭身が高いうえ威圧感あるデカさ。原作にないじゃばらで長い首を持ち、透明アクリルのような丸い瞳は表情が読めず、口部分に小さな穴がいっぱい……などなどなかなかに不気味要素が多い見た目をしている。さらに、原作のボロットは喋れずプレートに文字を書いているのに対し、実写版では再現が難しいせいか普通に話したりする。

 いわゆる「中の人」を考慮したためか、原作のかわいさがない、怖いキャラクターになってしまったのだ。

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