『ガングリフォン』に『電脳戦機バーチャロン』も! 新作を期待する「次世代機」時代に夢中になった“ロボットゲーム”の画像
セガサターンソフト『ガングリフォン』(ゲームアーツ)

「次世代機」の登場によって一気に表現力が増したゲーム機だが、立体感溢れるリアルな描写と“ロボットゲーム”の相性は抜群だった。当時のプレイヤーたちを虜にし、今もなお新作の発売が期待されている“ロボットゲーム”たちについて見ていこう。

■2022年の混乱を予言していた!? 『ガングリフォン』

 “ロボット”といえばどこかSFチックな世界観を想像しがちだが、我々が住んでいる世界同様の近未来を舞台にしたゲーム作品も少なくはない。

 1996年にゲームアーツから発売されたセガサターン用ソフト『ガングリフォン(GUNGRIFFON THE EURASIAN CONFLICT)』は、架空の西暦2015年の地球を舞台としたリアルな世界設定のロボットゲームである。

 本作では地域紛争が激化する世界で、主人公が機動兵器「HIGH-MACS」に搭乗し、戦場を渡り歩いていく「3Dシューティングゲーム」だ。実在しているヘリや戦車などの兵器も登場し、リアリティ溢れる戦場がプレイヤーを待ち構えている。

 戦闘の合間には弾薬を補給してもらう必要があり、相手の弾幕を掻い潜りながらいかに補給するか、補給路を確保するためにあらかじめ敵を倒すべきかと、生き残るため実戦さながらの深い戦術眼も必要だ。

 セガサターンのマシンパワーをこれでもかと発揮した一作で、なによりその華麗なグラフィックが戦場に抜群の臨場感を与えてくれる。

 ロボットゲームとしての出来もさることながら、実はこの作品、最近とある“未来”を予知していた……と、一種の都市伝説的存在としても有名になっているのだ。

 実は本作において、ロシアがウクライナ併合を目的に侵攻をおこなったことが戦争のきっかけとなるのだが、この一連の流れは2022年に実際に起きてしまったロシアによる“ウクライナ侵攻”に酷似している。

 戦争が起こった年代こそずれてはいるものの、ゲーム発売から約30年の月日を経て、ゲームストーリーと同様の惨劇が起こってしまうとは、当時の開発者やスタッフは夢にも思わなかっただろう。

 クオリティの高さだけでなく、“予言”という意外な観点からも注目されているロボットゲームだ。

■個性豊かなバーチャロイドを使いこなせ…『電脳戦機バーチャロン』

 “ロボット”といえばその性能はもちろん、近未来感あふれる先鋭的なデザインセンスも目を惹くところだろう。

 1995年にアーケードゲームとして稼働し、のちにセガサターンに移植されたセガの『電脳戦機バーチャロン』も、数々の個性豊かな機体が登場するロボットゲームである。

 本作の舞台は、“電脳歴V.C.a0年”。架空の世界でプレイヤーは巨大人型兵器「バーチャロイド」を操作し、敵機との高速戦闘を繰り広げていく。

 本作用に開発された専用コントローラー「ツインスティック」で操作をおこなうのだが、左右一対のスティックレバーを握ると、まさに自身がコックピットに座っているかのような臨場感を味わうことができる。

 ロボットを操作して戦ういわゆる「対戦ゲーム」なのだが、本作の最大の特徴はやはりプレイヤーキャラとして登場する「バーチャロイド」たちだろう。

 本作のメカニックデザインは『ガンダム』、『スーパーロボット大戦』などでも活躍するデザイナー・カトキハジメ氏が手掛けており、スタイリッシュなものはもちろん、武骨なものから、ときにはアイドルのような可愛らしさを押し出した機体もあったりと、その“個性”は多種多様だ。

 その高い人気から数々の後継作も登場しているシリーズで、対戦形式も一対一から複数のチーム戦に対応したりと、ゲームシステムも時代に合わせて常に進化し続けている。

 さらに、初音ミクやライトノベルとのコラボレーションも実現していたりと、多様なメディア展開も続けており、今もなお根強い人気を誇るシリーズだ。

 キャラクター人気も高い作品なだけに、新たな次世代機のパワーで歴代の「バーチャロイド」たちが生まれ変わることを待ち望むファンも多いのではないだろうか。

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