■よく実写化された! 大ヒットドラマ『GTO』
1996年から連載が始まった、藤沢とおるさんによる大人気漫画『GTO』もマガジン黄金期の作品だ。『湘南純愛組!』の主人公・鬼塚英吉による続編かと思いきや、こちらのほうが人気を上回ってしまったほど。『マガジン』での連載中、電車のなかで読んで笑いをこらえることができなかった記憶がある。そんな『GTO』がまさかの実写化という情報を聞き、いや絶対に無理だろうと当時は思ったものだ。
暴力・セクハラ・いじめ・ストーカーなど学園ものとしては異例の作品内容であり、とてもコンプライアンス的に放送できないだろうし、無理に抑えると面白さも半減してしまう。
だって、そもそも教員採用試験を替え玉で挑もうとしていたし……しかも3人(1号・2号・V3)のなかからえらばれたV3は、鬼塚のバイク暴走の餌食になって泡を吹いていたし……(身代わりで捕まったかも?)。
しかし、そんな懸念はいっさい無用だった。1998年に反町隆史さん主演でドラマ化されると爆発的人気となり、当時は社会現象を巻き起こしたほど。ヒロインの冬月あずさにはのちに夫婦となる松嶋菜々子さん、親友役に藤木直人さん、生徒役には窪塚洋介さんや小栗旬さん、池内博之さん、玉木宏さん……などなど、今も活躍を見せる若手の俳優たちが出演していた。
極めつけは、内山田教頭役の中尾彬さん。原作の内山田は退学にした生徒たちの復讐に遭い、クズ呼ばわりした結果、鬼塚の逆鱗に触れジャーマンスープレックスを食らってしまう。ドラマでは、後ろ飛び回し蹴りを食らっていたな。あたふたする中尾さんがコミカルで面白かった。
そして、原作でもかなり衝撃だった、拘束されて三角木馬に乗せられた鬼塚の合成画像のシーン。あれも反町さんが見事に演じており、その役者魂に感激したもの。
2024年、新作スペシャルドラマとして蘇る『GTO』。26年ぶりの鬼塚の“暴れぶり”にも期待したいところだ。
当時の『週刊少年マガジン』では、人気漫画の実写化が次々と成功し読者を増やしていったものだ。今振り返ってみると、豪華なキャストが揃っていたことにあらためて驚いてしまう。
そういえば、同時期に連載されていた『将太の寿司』の実写化も、魅力的な出演者が多かった。また機会があれば紹介したい。