１９９４年に、６５３万部という驚異の最大部数をたたき出した『週刊少年ジャンプ』。しかし１９９７年、『週刊少年マガジン』の発行部数が『週刊少年ジャンプ』を超えた。これまで長年に渡って少年漫画をけん引してきた『ジャンプ』が『マガジン』に追い抜かれたのである。
当時の『マガジン』人気を支えた数々の名作たち。なかには、実写化に成功して新たな読者層を獲得していった作品も多くある。そこで当時、実写化された代表作を紹介していこう。
■原作の良さを崩さず実写化を果たした『金田一少年の事件簿』
１９９５年からドラマ化されたのが、原案・原作：天樹征丸さん、原作・脚本：金成陽三郎さん、作画：さとうふみやさんによる『金田一少年の事件簿』だ。主人公・金田一一をＫｉｎＫｉ Ｋｉｄｓの堂本剛さん、ヒロイン・七瀬美雪をともさかりえさん、剣持警部は古尾谷雅人さんが演じている。
同年４月に「学園七不思議殺人事件」の単発ドラマでスタートし、７月から連続ドラマとなった。実は当時のＫｉｎＫｉ ＫｉｄｓはＣＤデビューもしておらず、正直、筆者のような男性陣にとってはあまりメジャーではなく、かろうじて名前を知っている程度だった。
しかし、女性陣は違う。当時のバイト先のカフェでは剛派と光一派に分かれており、どちらがより素晴らしいかバトル（口論）していたものだ。「そんなのどっちもカッコいいんじゃ……」なんて言おうものなら、「部外者は黙って！」と、両派からシャットアウトされてしまった経験がある。（お前ら関係者か……？）
筆者は原作の大ファンだったので、ドラマも全部見ていた。漫画では複雑なトリックの謎解きを文字で読み込み理解していたため、実際にセリフとなったら分かるかな？と思っていたのだが、意外とあっさり頭に入ってくる。原作の良さを崩していない見事な演出といえた。
そういえば、筆者は美雪役のともさかりえさんの可愛さに、思わずファンになってしまった。それとなく知られると、バイト先の剛派から「うわっ……敵！」と言われる始末。実は嫁も剛派なのだが、当時のことを言うと「分かるわ～。“敵”って言っちゃう気持ち」とのこと。いったい、誰目線なんだお前ら……。
■ちょっと憧れたサイコメトリー能力！ 腕っぷしも強いコンビが活躍する『サイコメトラーＥＩＪＩ』
１９９６年から連載された、原作：安童夕馬さん、作画：朝基まさしさんによる人気漫画『サイコメトラーＥＩＪＩ』も面白かった。
主人公は触れた物や人の断片的な記憶を読み取れる超能力を持つ明日真映児。短気な不良でケンカも滅法強く、情に厚いキャラ。そんな映児の能力に目を付けて難事件を一緒に解決していくのが、警視庁のキャリア警部補・志摩亮子だ。正義感が強いだけでなく、美貌を武器にエイジを無理やり捜査に協力させていく。
志摩は頭脳明晰、且つ刑事だけに身体能力も高く腕っぷしが強いバディだ。こんな姉が欲しいと思ったのは、きっと筆者だけではないだろう……。
ドラマは１９９７年に松岡昌宏さん主演でスタートした。志摩役は大塚寧々さんで、宿敵・沢木晃役の田辺誠一さんとは、のちに結婚することとなる。また、本作は松岡さんの連続ドラマ初主演作でもあり、今見ると初々しい姿を見ることができる貴重な作品だ。
ちなみに１９９９年の第２期は、工藤静香さんが志摩役を演じている。エイジの親友でもある田宮章吉役には井ノ原快彦さん、葛西裕介役には小原裕貴さんが抜擢され、それぞれ好演していた。
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