■フィギュア付きでゲームも楽しめた『ネクロスの要塞』
最後に『ネクロスの要塞チョコ』(定価100円)を紹介したい。こちらも1987年にロッテから発売されたオマケ付きお菓子だ。
本商品は2つの箱がセットになっていて、下の大きな箱にはサクサクしたボール状のチョコお菓子がたっぷり、上の小さな箱には温度によって変色する素材や蓄光で光る素材のフィギュアが1体と、キャラクターとアイテムや呪文が描かれたカードが2枚入っていた。小学生には高級菓子と言える価格だったが、盛りだくさんの内容だった。
さらに本商品はオマケのフィギュアとカードとサイコロを使用し、魔王ネクロスを倒すゲームが楽しめるようになっていた。この時代、少し上の世代では“テーブルトークRPG”という対話型のテーブルゲームがちょっとしたブームとなっていたが、『ネクロスの要塞』は、この商品を通して子どもたちにもテーブルトークRPGの面白さを知ってもらい、ブームと一緒に展開していきたいという戦略があったのかもしれない?
当時のオマケ付きお菓子の中でも、なかなか意欲的なシリーズだったように思う。
今回は、斬新なギミックが面白かった昭和のオマケ付きお菓子を紹介してきた。まさに80年代はオマケ付きお菓子の全盛期、今回紹介した商品以外にも『ドキドキ学園』『めざせまるきん』『こまったときのガムだのみ』など、挙げれば本当にキリがない。
当時、少年時代を過ごした者の一人としては、それらのオマケを見るだけで自然と当時の思い出が甦ってきてしまうものだ。