『ガムラツイスト』に『ラーメンばあ』、『ネクロスの要塞』も…斬新なギミックが子どもたちの心を鷲掴みにした「昭和のオマケ付きお菓子」の画像
『80年代オマケシール大百科』(いそっぷ社)

 さまざまな作品とコラボしたり、今年2023年にも新弾が発売されたりと、現在も人気のロッテの『ビックリマンチョコ』。これを筆頭に80年代は“オマケ付きお菓子”の人気がすさまじく、ビックリマンに負けじとさまざまなメーカーから工夫を凝らした商品が発売されていた。当時小学生だった筆者にとっては、非常に思い出深い。

 そこで今回は、ビックリマンに負けない斬新なギミックが面白かった昭和のオマケシール付きお菓子を紹介していく。

■シールが2枚重ね、3枚重ねになっていた『ガムラツイスト』『ラーメンばあ』

 まずは『必殺!ガムラツイスト』と『ラーメンばあ』から。

 1987年、カネボウ食品(現:クラシエフーズ)より発売された『必殺ガムラツイスト』(定価50円)、ベルフーズより発売された『ラーメンばあ』(定価60円)は、「覆面レスラー軍団抗争シール」という同じシリーズのオマケシールが付いており、第1、2弾のラインナップはまったく同じで、第3弾以降はそれぞれ別のシリーズとして展開していった。

 ビックリマンがウエハースの甘いチョコお菓子だっただけに、イチゴ味のガムとしょっぱい系のラーメン菓子という系統の違うお菓子だったことも、当時小学生だった筆者にとってはありがたいポイントだった。

 ビックリマンとの最大の違いは、2枚重ねのシールになっていること(後期に3枚重ねも登場する)。シールをめくることでキャラの真の姿や物語が漫画のように楽しめるギミックになっており、シールをキレイに保ちたい筆者は、上のシールを完全に剥がさず、下のシールの絵をある程度確認できたところで、再びピッタリ張り合わせて保管していた。

 プロレスがモチーフではじまり、シリーズが進むにつれ宇宙を舞台にした壮大な話に展開していく。1989年にはアニメ化され『Go! レスラー軍団』全21話『レスラー軍団〈銀河編〉 聖戦士ロビンJr.』全50話が放送されるなど、まさにビックリマンに次ぐ人気のオマケ付きお菓子シリーズだった。

■温度で色が変わった『あっぱれ大将軍』

 ビックリマンはロッテから発売されているが、そのロッテも『あっぱれ大将軍』(定価50円)という別のオマケ付きお菓子シリーズを1987年から並行して販売していた。

 本体のお菓子はロッテらしいパフとピーナッツを固めたチョコのお菓子で、オマケシールは日本史をパロディで、おもに幕府と反幕府(朝廷軍)の抗争をモデルにしていた。

『ビックリマン』が正方形のシールだったのに対し、『あっぱれ大将軍』は縦長の長方形のシールで、さらに温度によって絵柄が変化するギミックが付いていた。“温感シール”は人肌で温めると赤いインクが透明に、対して“冷感シール”は冷蔵庫などで冷やすと透明だったインクが変色し、シールに描かれたキャラの本性があらわになる仕掛けになっていた。これらは当時、本当に子どもたちをワクワクさせたギミックだった。

 しかしそんな『あっぱれ大将軍』だが、群雄割拠なオマケ付きお菓子の時代に第5弾まで打ち切りになってしまい、正直ビックリマンやガムラツイスト、ラーメンばあほどはメジャーにはなれなかった商品だ。しかし、先述したギミックの面白さで個人的には非常に記憶に残っているシリーズであることは述べておきたい。

  1. 1
  2. 2