■オカルト、SF、ファンタジー!いろんなジャンルがギュッと詰まった1冊…アップルミステリー
最後に紹介するのは、主婦と生活社(株式会社宙出版)から1990年に創刊された『アップルミステリー』。同誌はB5サイズの『マーガレット』よりひと回り小さなA5サイズのため、コンビニや書店では雑誌コーナーより棚で見かけることが多かった。
誌名に「ミステリー」とあるがオカルト寄りの作品が多く、なかでも秋乃茉莉さんの『霊感商法株式会社』は1991年に『霊感商法株式会社〜星に呪いを〜』のタイトルでドラマ化されるほど大人気。また、TEAM猫十字社さんの壮大なSFファンタジー『幻獣の國物語』、細倉ゆたかさんのBL漫画『炎舞う』、小野双葉さんの『邪悪のJACK』、他にもめるへんめーかーさん、里見美代子さん、曽祢まさこさんなどにより、さまざまなジャンルの作品が700ページ以上もギュッと詰められていた雑誌だった。
筆者は『霊感商法株式会社』のフェムトくんが好きで、長らく『アップルミステリー』を愛読するも1998年の廃刊は突然過ぎて大変驚いた。その後、いくつかの掲載作品は他社に移動したり新装版が作られたりもしたが、『霊感商法株式会社』をはじめ『幻獣の國物語』などが今も“未完”であるのが残念だ。
今年も多くの雑誌が刊行され、休刊や廃刊となる出版業界。雑誌が無くなることによって大好きな作品が読めなくなったり、推しキャラの行く末に涙を飲んだファンがいるのは間違いないだろう。叶うものなら、未完となった作品たちがいつしか“完結”する日を望まずにはいられない。