■クールで恐ろしい秘書官『魔進戦隊キラメイジャー』桃月なしこ

 最近の特撮ドラマでは、人気のコスプレイヤーも悪の女性幹部を演じている。それは、2020年放送の『魔進戦隊キラメイジャー』での、桃月なしこさんだ。

 桃月さんは、コスプレイヤーとしての活動中にスカウトされデビュー、デビュー後もしばらく准看護師として働いていたため、ニュースサイトで“可愛すぎる現役ナース”としても話題になった。

 そんな桃月さんが演じたのは、敵組織“ヨドンヘイムの”ヨドン皇帝直属の秘書官ヨドンナだ。一人称は「ボク」で低い声のトーンで淡々と話し、感情をいっさい出さない(感情が分からない)キャラで、目を見開き舌を出すポーズは視聴者の子どもたちを恐怖させた。

 ビジュアルは、銀髪と斜めに切り揃えた前髪に、衣装は青い軍服で鞭を持ち、両肩にはカラスの装飾がある非常にクールなもの。さすがトップコスプレイヤーと言える見事な着こなしだった。

 前述の山本梓さんや及川奈央さんの敵役がどちらかと言うと可愛い女性幹部であったのに対し、桃月さんのヨドンナはクールで恐ろしい女性幹部だった。

■激しく美しい女王『仮面ライダージオウ』釈由美子

 最後は、2018年放送の平成最後の仮面ライダー『仮面ライダージオウ』での、釈由美子さんを紹介する。

 釈さんは『仮面ライダージオウ』第35話、殺人罪で服役している北島祐子役で登場し、アナザーキバへと変身するようになる。アナザーキバに完全に変身してしまうと、正直なところ釈さんの要素は“声だけ”になってしまうが、放送当時は変身前の釈さんの活躍のほうがSNSを中心に話題となった。

 なぜなら、華奢で可愛らしい釈さんがマンホールの蓋を軽々と持ち上げ、キャプテンアメリカのシールドのごとく、殴ったり、防御したり、投げつけたりと激しい戦闘スタイルを見せたからだ。(ちなみに、一般的なマンホールの蓋の重さは、およそ40kg)

 衣装のジャケットやドレスは、赤と黒で『仮面ライダーキバ』をイメージしていたと思われるが、形的には一般的な女性が着る美しい衣装だっただけに、戦闘スタイルとのギャップがすごかった。

 ちなみに、これがきっかけで釈さんは、のちに横浜の下水道150周年を記念した横浜下水道150広報大使、別名“マンホール大使”に就任している。

 

 今回は、有名人が演じた特撮ドラマの美しすぎた敵たちを紹介してきた。言うまでもなくいずれの女優たちも非常に美しく、特撮ドラマの悪役としても非常に魅力的だった。

 作品によっては素顔が出てないタイプの女性幹部の場合もあり、それはそれで良さがあるのだが、個人的には素顔を出して美しく暴れまわる女性幹部のほうが好きだ。今後も特撮ドラマを彩ってくれる美しい悪役に、注目していきたい。

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