■期せずして年末にねじ込まれた良作『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』

 続いては、意外と年忘れにぴったりかもしれないアニメ『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』を紹介しよう。

 本作は、社畜生活に神経をすり減らしていた主人公が、ゾンビによって世界が崩壊したのをきっかけに、これまでできなかったやりたいことにとことん向き合っていく青春物語である。

 混沌とした世界の中、自らの欲求にまっすぐに、とにかくぶっ飛んだ行動に出る主人公たちにはスカッとすること間違いなしだ。

 また、「KANA‐BOON」によるOP曲『ソングオブザデッド』は、現代社会のしがらみに頭を悩ませる多くの人々の心に刺さるのではないだろうか。

 諸事情により放送延期になっていたアニメだが、12月25日に残る3話を一挙放送予定である。どこか心が晴れやかになる『ゾン100』が、年の瀬に何か一つ吹っ切れるきっかけになるかもしれない。

■恋の結末に立ち会えるよう一気見推奨! 『よふかしのうた』

 最後に、不眠症の少年と夜に生きる吸血鬼の少女のラブストーリー『よふかしのうた』を紹介しよう。

 2019年から『週刊少年サンデー』にて連載中の本作。物語は第200話を持って終了と発表され、年が明けた1月中には終了すると思われるため、残る数話から目が離せない展開となっている。

 夜が舞台の本作は、どこか落ち着いた雰囲気を纏いながら物語が展開していくのが魅力で、キャラクターの心理描写や表情で“魅せる”リアリティ溢れる作品だ。

 普通の恋愛ですら複雑極まりないというのに、本作ではそこに人間と吸血鬼の恋愛というより複雑な要素が加わっている。しかしキャラクターが発する言葉や描かれる表情に妙に共感でき、2人の恋路から目が離せなくなってしまうのだ。

 独特の空気感が魅力の『よふかしのうた』、完結に備えてこれまでの物語を一気見してみてはいかがだろうか。アニメにもなっているので、そちらもぜひあわせてチェックしてみてほしい。

 

 今回紹介した作品はほんのごく一部であり、2023年は数多くの素晴らしい作品に恵まれたことは言うまでもないだろう。

 年末年始に浴びるようにアニメや漫画に触れて、2024年を好発進させようではないか。

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