■まさかの“実写”に賛否両論? PS『GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH』

 次世代機では数多くの『ガンダム』のゲームが発売されているが、中には予想外の演出で新たな表現に挑戦した、賛否両論な作品も登場している。

 1997年にバンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたPS用ソフト『GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH』こそ、新たな表現方法を取り入れた一作だ。もともとはピピンアットマーク用として作成された一作で、後にPS用ソフトとして移植されることとなった。

 本作では物語に合わせてムービーが流れ、その合間合間に行動内容を選ぶことでストーリーが進行していく。CGのクオリティはかなり高く、ポリゴンで表現されたモビルスーツたちは高い再現度を誇る。

 しかし、本作の最大の特徴は、なんと『ガンダム』でおなじみのキャラクターたちを“実写映像”で表現したという点に尽きるだろう。

 主人公は直接描写されないのだが、原作でも登場するホワイトベースの面々や、宿敵であるシャアたちを俳優が演じている。

 あまりにも挑戦的な演出だが、原作とはかけ離れたキャスティングも目立ち、ファンにとっては物議を醸し出す結果に。ところどころ性格が変わっているキャラもおり、原作の世界観をベースに作られたパラレル作品……といったほうがしっくりくるかもしれない。

 また、本作では要所に現れるコマンドの中から的確なものを選び取る必要があるのだが、これが全くのノーヒントかつ時間制限も短く、思わぬ高難易度作品となってしまっている。

 なんと、選択肢を間違えるとほとんどの場合が“即ゲームオーバー”となってしまうため、間違えながらなんとか正解を導き出す、いわゆる“死にゲー”としての側面も持っているかもしれない。

 モビルスーツのクオリティは高い反面、“実写”と高難易度のゲームシステムと、なかなかに人を選ぶ一作となっている。

 

 次世代機によるグラフィックの向上は、『ガンダム』のゲームにも新しい表現方法を与え、数々の魅力的な作品が生み出されることとなった。アニメや映画はもちろん、これからも新たなハードで表現されていく『ガンダム』のゲームたちからも目が離せない。

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