■旅芸人として複数タイトルに登場した「パノン」
「パノン」といえば、『ドラクエ4』に出てくる旅芸人を思い浮かべる読者が多いのではないだろうか。しかし、実は『ドラクエ4』だけでなく『ドラクエ6』、『ドラクエ9』、『ドラクエ10』においても、彼は別人ではあるものの旅芸人として登場している。
初登場の『ドラクエ4』では、物語を進めるうえで重要な役割をもったNPCとして、パーティーに一時加入する。というのも、「スタンシアラ王を笑わせる者にてんくうのかぶとが譲渡される」という触れ込みに挑戦するため、モンバーバラ劇場で人気芸人となっていたパノンの力を借りることとなったのだ。
しかし、パノンはスタンシアラ王に芸をするのではなく、王の本当の願いである「この者たちなら世界を救い、人々に笑顔を取り戻してくれる」と説得。感銘を受けたスタンシアラ王から、てんくうのかぶとを入手できるイベントになっている。
『ドラクエ6』でのパノンは、現実世界のクリアベールに訪れた旅芸人として登場する。病気に苦しむ少年・ジョンに勇気のかけらをプレゼントすると約束していたものの、パノンが現れる前にジョンは亡くなってしまう。
その後、パノンは海底のほこらで発見されるが記憶喪失になっており、なぜ彼が海底のほこらにいるのかは不明なままだ。
『ドラクエ9』では、職業クエストの依頼主として、『ドラクエ10』では主人公のあこがれの存在として登場する。Ver.4.4ストーリーでは特別なイベントが用意され、パノンの姿が描かれている。
今回は複数作品登場しているものの、存在感の薄さからプレイヤーから忘れられがちなキャラ、「ピピン」と「パノン」の2人の歴代作品における物語を紹介した。
歴代ドラクエ作品のファンであれば、作品ごとのつながりは歓迎される要素といえるだろう。有名キャラとはいえないが、こうしたキャラ個別の物語を知っていると、ドラクエ作品をより楽しめるかもしれない。