ときに実年齢からかけ離れた役を演じることもある俳優たち。とくに近年多く見られる漫画実写化作品は10代のキャラクターも多く、演じる俳優の実年齢とのギャップに、つい貫禄を感じてしまうことも……。そこで今回は漫画実写化作品で「高校生役」を演じた貫禄がありすぎる俳優をご紹介しよう。
■強烈なキャラと共演者との年齢差が話題に! 『俺物語!!』鈴木亮平さん
河原和音さん原作の『俺物語!!』は、正義感が強く困っている人を放っておけない性格の主人公・剛田猛男と、痴漢に遭っていたところを猛男に救われ、そんな彼に一目惚れをしてしまうヒロイン・大和凛子の甘酸っぱい恋模様を描いた作品だ。
本作の見どころといえば、猛男の強烈な個性だろう。純情で不器用、凛々しすぎる顔つきに、常人離れした巨体。“男のなかの男”として男友達からは慕われているものの、女性からは引かれ、ウケはイマイチという、残念な立ち位置に甘んじる日々を送っていた。
そんな猛男の前に舞い降りた天使こそが、凛子だったのだ。不器用すぎる2人の恋路にハラハラドキドキしながらも、コメディータッチでサクサク読めてしまう本作。2015年には実写映画化を果たすほど、人気作となった。
実写版で猛男を演じたのは鈴木亮平さんだ。当時32歳だった鈴木さん。演じる猛男の年齢は15歳と、年齢差は歴然だった。さらにヒロイン役の永野芽郁さんとは16歳も離れており、年齢だけ見ると「無謀すぎるのでは……?」と心配になってしまう。
しかし、実際に猛男に扮した鈴木さんを見れば、そんな心配は希有だとわかる。本作の作画を担当したアルコさんは、“当初から実写化するなら猛男は鈴木さんが良かった”と明かしていたが、30kgの増量という体当たりな役作りで撮影に挑んだ鈴木さんの心意気が実写版猛男をよりリアルにし、確かなものに仕上げていた。
■10代らしからぬどっしりとした佇まい『クローズZERO』山田孝之さん
高橋ヒロシさん原作の『クローズ』は、日本を代表する不良漫画の1つだ。県内最強の不良高校・鈴蘭高校を舞台に、不良たちの抗争が描かれている本作。2007年に公開された実写映画版『クローズZERO』を皮切りに、全3作品が制作されるほどの人気シリーズとなった。
実写版では、主人公・坊屋春道が鈴蘭高校へ転校してくる以前の物語が、完全オリジナル脚本で描かれており、主人公・滝谷源治を小栗旬さんが演じている。当時24歳だった小栗さんの高校生姿も迫力があり見応えがあったが、そんな小栗さんに立ちはだかる強敵として登場するのが芹沢多摩雄役の山田孝之さんだった。
“百獣の王”として恐れられていた芹沢は飄々とした性格で、少し抜けた一面もあるのだが、一度抗争となれば人が変わってしまう。芹沢を演じた山田さんも、当時、小栗さんと同じ24歳だったのだが、その貫禄はすさまじいものがあった。うっすらと生えた髭、鋭い眼光、圧倒的なオーラ……。こんな高校生がいたら怖すぎると思ったのは、筆者だけではないはずだ。
20代前半はまだまだ高校生役として違和感のない年代だと思うが、山田さんのどっしりとした佇まいは10代のそれではなかったように思う……。