“目隠しをしたザコ”に“メディスンシティーのザコ”…『北斗の拳』ろくな部下がいない拳王軍の“残念なザコ”たちを紹介の画像
ゼノンコミックス『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』第1巻(コアミックス)

 今年生誕40周年を迎えた、少年漫画の金字塔ともいえる『北斗の拳』。原作・武論尊氏、作画・原哲夫氏による本作は、無骨な男たちの熱き戦いが繰り広げられるバトル漫画だ。

 なかでも人気のキャラクターだったのが、圧倒的強さを誇る「ラオウ」だ。ケンシロウと死闘を繰り広げ、その最期のシーンは少年漫画史に残る名シーンの一つである。しかしラオウは強かったものの、その部下である拳王軍のメンバーはかなり残念であったことは否めない。今回は、そんなラオウ率いる拳王軍の“残念なザコ”たちを紹介したい。

■残念な部下といえば…目隠しをしてラオウに抱きついたザコ

 拳王軍でやらかしたザコといえば、まずはこの男を思い浮かべる人も多いだろう。目隠しをしてふざけた遊びに興じ、こともあろうにラオウに抱きついた男だ。

 コミックス第12巻「忠誠の代償! の巻」にて、ラオウが遠征しているのをいいことに、残された拳王軍メンバーは民衆の女性たちを柵のなかに放ち、目隠しをして追い立て、つかまえたら絞め殺す……と、好き放題やっていた。

 ザコたちが遊びに興じるなか、ラオウが黒王号に乗って帰還する。ラオウに気づいた者は小便をもらすなど恐怖に震えるが、目隠しをしているこのザコは、あろうことか気づかない。それどころかラオウに抱き付き「あっ!つかまえた」と言って喜ぶ始末。そして目隠しを取ってラオウの顔を確認した瞬間、ラオウのビンタが飛んできて頭が一瞬で吹っ飛ばされてしまうのであった。

 “鬼の居ぬ間に洗濯”ではないが、いくらなんでも自由にふるまいすぎだろう……。抱きついたザコは当然のごとくラオウに制裁されたが、痛みを感じる間もなく瞬殺されたのはある意味ラッキーだったのかもしれない?

■ラオウのライバルとは知らず…「もしかして…俺は!?」「うむ、死んでいる」のザコ

 ラオウの存在がなければ、拳王軍メンバーは制御を失うケースも多い。それが顕著に表れているシーンが、メディスンシティーでの一幕だ。

 コミックス第9巻「暴虐! 狗法眼!! の巻」にて、残り少ない命のレイの肉体の苦痛を少しでもやわらげるため、メディスンシティーへ向かったマミヤ。しかしその地はかつてラオウのための霊薬をつくるための街であり、ラオウが去った今、再び暴徒の手に落ちていた。案の定マミヤはメディスンシティーの支配者・狗法眼ガルフに捕らえられてしまう。

 そこに現れたケンシロウとレイ。ガルフはケンシロウが北斗神拳の使い手だとは知らず喧嘩を売り、あっさりやられてしまう。「こ……こいつは一体なんなんだ~〜」と叫ぶガルフに対し、「まだわからんのか 今のが北斗神拳だ!!」と答えるレイ。「そ…それじゃあ!! あの拳王と五分の戦いをやったのは!!」「やつだ…」「えぇっ! そっそれでは もしかしてえ~お…おれは~!!」「うむ…死んでいる」そんなレイのセリフを聞いたあと、犬におしっこをかけられた挙げ句、爆死するガルフ。一連の2人のセリフはちょっとしたコントにも見える。

 もっと真面目にラオウのもとで働いていれば、ラオウと五分の戦いをした相手がケンシロウだと分かり、無駄な戦いはしなかっただろう。ラオウの影響下でしか抑制されないザコの自業自得な最期と言える。

  1. 1
  2. 2