アムロにカミーユ、シーブックも…『ガンダム』歴代主人公、ニュータイプゆえの“トンデモ発言”の画像
『アムロ・レイ×ぴあ』(ぴあMOOK)

『ガンダム』宇宙世紀シリーズにおける人類の革新的存在「ニュータイプ」。優れた空間認識能力や、まるでテレパシーのように距離を無視して意思を通わせることができるなどの能力を備えた存在だ。あまりに超人的な能力を備えているがゆえに、常人には理解し得ないトンデモ発言が飛び出し、周囲を困惑させることもしばしばだ。

 今回は、『ガンダム』シリーズの歴代主人公が放った、ニュータイプゆえのトンデモ発言の数々を紹介しようと思う。

■その一言が“最強”の証明「アムロ・レイ」

 まずは戦闘において最強のニュータイプと称される“ファーストガンダム”の主人公、アムロ・レイの発言から紹介していこう。

 問題の発言は『機動戦士Zガンダム』第16話「白い闇を抜けて」より、可変MA・アッシマーとの空中戦にて確認された。

 空中を縦横無尽に飛び回るアッシマーに苦戦を強いられているカミーユのもとに馳せ参じたアムロ。7年ぶりのMS戦闘でありながらそのブランクをいっさい感じさせず、死角からの攻撃に対応するようカミーユに指示するほか、自らが敵MSのランドセルのみを切り落とす離れ技を見せ、瞬く間に戦場を支配するのである。

 目の前の状況に手一杯なカミーユがアッシマーに背後を取られると、すぐさま援護に入ったアムロ。そして「後ろにも目をつけるんだ!」と、トンデモ発言をカミーユにぶつける。アムロのほうが戦闘経験が豊富とはいえ、第16話時点での2人のニュータイプとしての格の違いが、如実に現れた瞬間であると言えるだろう。

 このシーンであらためてアムロの凄さに気づかされると同時に、まるで上司から理不尽な指示を飛ばされている部下を見ているようで、カミーユに同情の目を向けてしまった人も多かったのではないだろうか。

■優れたニュータイプの悲しき末路「カミーユ・ビダン」

 続いては『機動戦士Zガンダム』最終話にて、ニュータイプがゆえに精神を崩壊させてしまった悲しき主人公、カミーユ・ビダンのトンデモ発言を紹介しよう。

『機動戦士Zガンダム』第48話「ロザミアの中で」にて、サイコ・ガンダムMkーllを駆り、アーガマに襲い掛かるロザミア・バダム。精神操作の影響で半ば暴走気味だった彼女を、カミーユは苦渋の決断で撃墜するのである。

 その後、アーガマに帰投したカミーユは、ニュータイプや強化人間の無力さについて語り、「できることと言ったら 人殺しだけみたいだな」と、ファ・ユイリィに微笑みかける。悲しき事実をあまりに軽く語るカミーユに背を向け、ファは無言でその場を去ってしまうのだ。

 その様子を見ていたクワトロが慰めの気持ちを込め「あまり気にするな」とカミーユの肩に手をかけるが、カミーユは「気にしてなんていませんよ。気にしてたらニュータイプなんてやってられないでしょ」と、驚きの発言とともに笑顔を見せるのである。

 たび重なる戦闘と精神の感応によって、人を殺めることへの感覚を異常なまでに歪めてしまったカミーユ。ニュータイプとしての見事な戦いぶりで多くの功績を残したが、同時にゆっくりと精神をすり減らし、最終的に精神疾患を患ってしまった彼も、グリプス戦役のいち被害者であると言えよう。

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