1990年11月21日に任天堂から発売され、33周年を迎えた家庭用ゲーム機「スーパーファミコン」。スーファミ時代は、ファミリーコンピュータの8ビットから16ビットにCPUがグレードアップしたことで、ゲーム制作の自由度がグンと上がった時期。
ローンチタイトルである『スーパーマリオワールド』や『F-ZERO』など、大きく進化したグラフィック表現に当時の子どもたちは大感動したが、それだけではなく例えばRPGジャンルでは異色のシステムを盛り込んだ攻めたタイトルも多数リリースされた。
今回はスーファミ33周年を機に、「変わったシステム」が盛り込まれていたRPGをいくつか紹介したい。
■異色てんこ盛りなオーソドックスRPG『SDガンダム外伝2 円卓の騎士』
一見オーソドックスなRPGに見えるが、蓋を開けてみると異色な要素が山盛りだったのが1992年に発売された『SDガンダム外伝2 円卓の騎士』だ。
まず、一番の特徴がパーティー人数が13人と、大所帯な点。パーティーで同時に戦える13人の他にも、多くの仲間が存在する。なので、プレイアブルキャラクターは14人以上である。勿論、この部分は異色なシステムではない。同じくスーファミでは、『ドラゴンクエスト5』でモンスターを仲間にするというシステムが採用されており、似たように多くの仲間が存在するからだ。
本当に特徴的なのは、『SDガンダム外伝2 円卓の騎士』のように、ターン制RPGなのに13人でパーティーを組める部分である。こういったゲームは、現在の新しいゲームを含めても、非常に稀である。
異色なシステムはそれにとどまらず、戦闘による経験値ではなく、仲間の数でレベルアップするというシステム。止まっていてもエンカウントするという、いわば透明シンボルエンカウント制。武器に名前を付けて、その名前によって武器の性能が変わる「オーダー」システム。当時としては珍しく、細かな行動が指定できるオートバトル。と、様々な面で異色なシステムが見受けられる。
■プレイ環境最難関なPLGS搭載『天外魔境ZERO』
ゲーム内と現実の時間がリンクするPLGS(パーソナル・ライブ・ゲーム・システム)を使っているのが、1995年に発売された「天外魔境」シリーズのスーファミ版『天外魔境ZERO』である。
『天外魔境ZERO』は、他の「天外魔境」シリーズと同様にテレビアニメのようなグラフィックが特徴的である。
PLGSシステムを利用した機能には、現実にリンクし、月ごとに違うお祭りの開催や、曜日限定のお店、誕生日祝い、現実の時間経過で進むイベントなどがある。今は「ポケットモンスター」シリーズなどで同じような機能が見られるが、当時としてはオンリーワンと言っていいほどに異色なシステムで、カセットを差していないときも時間が進むというのが不思議な感覚だった。
このPLGSシステムは、スーファミカセットに内蔵されたカレンダー機能を利用しているが、ダウンロード版では再現が難しいのか、ダウンロード版の移植は2023年11月現在では存在しない。
また、多くのレトロ互換機にも対応していないので、実機と実ソフトでプレイしなければならない。しかも内部電池が切れているカセットでのプレイも不可能という、貴重な作品となっている。