ヤザン・ゲーブルだけじゃない!ランバ・ラルにノリスにガトー…歴代『ガンダム』の「最強だったオールドタイプ」3選の画像
アニメ『機動戦士Zガンダム』DVD Volume.9より

 1979年にテレビアニメ『機動戦士ガンダム』が放送されて以降、現在までさまざまな作品が作られてきたガンダムシリーズ。最新鋭の機体に搭乗し、華々しい戦果を上げるニュータイプの主人公は魅力的だが、一方でいぶし銀の活躍を見せる渋い機体を操る「オールドタイプ」のパイロットもまた人気があるキャラクターたちだ。

「オールドタイプで強いパイロットといえば誰か?」といったテーマは、ガンダムファンの間で鉄板の話題だが、その筆頭のひとりがヤザン・ゲーブルだろう。『機動戦士Zガンダム』に登場した彼は、ギャプランやハンブラビで颯爽と駆けながらニュータイプのカミーユやクワトロ大尉をも苦戦させた強者である。

 続編となる『機動戦士ガンダムZZ』ではギャグキャラに成り下がってしまったものの、ハンブラビに搭乗していた頃までは海ヘビなど特殊な兵器まで駆使しながらカミーユたちを追い詰めており、長い戦いの中で生き残った人物でもある。ヤザンの強さはファンであれば充分に知るところだろう。

 今回はヤザン以外の「強いオールドタイプパイロット」を何人か厳選して振り返っていきたい。

■MS戦だけでなく白兵戦でも強者だったランバ・ラル

 強いオールドタイプといえば、やはり『機動戦士ガンダム』に登場したランバ・ラルは外せない。ラルはシャアに続いてアムロを苦しめた強敵だが、シャアとは真逆に地上戦で圧倒的な強さを見せつけていたところが大きなポイントだ。

 ラル自身が地上戦に長けたパイロットである上、グフという新機体で出撃しての初戦ではガンダムの攻撃を軽く凌ぎながら接近しては肉弾戦だけで追い詰めたのだ。

 さらにザクにはなかった「ヒート・ロッド」を装備。鞭状の武器によってガンダムのライフルや腕を絡めて止め、そのうえ電撃まで流すという、ビジュアル面でのインパクトもある意味ではシャア専用機をも超えていたかもしれない。

 ただ、やはりラルの本当の強さはMS戦よりも白兵戦のほうで発揮されていた印象も強い。三度目の戦闘ではガンダムとの一騎打ちに敗れてグフを破壊されたが、自機を失っても諦めることなく、クランプを始めとした部下たちを率いて白兵戦でのホワイトベース破壊作戦に出たのである。

 まだ戦闘経験が浅く、やっとMSや戦艦での戦いになれたアムロたちと、幾多もの戦闘経験を積んできたラルたちでは、力の差は歴然だった。セイラ(アルテイシア)と予想外な再会を果たしたことが彼の命運を一気に奪ってしまったが、あの場面でセイラが出てこなければ、ラルたちの作戦は成功していたのではないだろうか。

 歴代作品の中でも最強と謳われるニュータイプ、アムロ・レイから「僕はあの人に勝ちたい」と言わしめたランバ・ラル。強さはもちろん、その人間力に惹かれるパイロットだった。

■武人としての覇気や強さで高性能MSを追い詰めたアナベル・ガトー

 続いてはOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』より、アナベル・ガトー。

 彼は一年戦争時に「ソロモンの悪夢」と呼ばれ、連邦の兵士から恐れられたジオン軍のエースパイロット。終盤で迎えたア・バオア・クーでの攻防戦にて、自分専用のゲルググを駆り多くのジムを撃墜したが、当時からの上官であるデラーズからの命令で仕方なく撤退していた。それでもガトーが連邦兵たちから恐れられていたのは紛れもない事実であり「悪夢」とまで呼ばれたのは一年戦争で見せたガトー自身の強さあってこそだ。

 そして3年後のデラーズ紛争では、連邦から奪取したガンダム試作2号機のアトミックバズーカでコンペイトウ宙域の連邦艦隊を大量に破壊しており、その数は「ほぼ半数以上」とまで言われている。

 その直後に主人公コウ・ウラキのガンダム試作1号機・フルバーニアンとの戦闘では相打ちで終わったが、この戦闘でも実質的な強さはガトーの方が上だった。

 ガトーが乗る試作2号機は武装が乏しい上にアトミックバズーカを使い切った後に使えるのはサーベルと頭部バルカンのみ……。それでもビーム・ライフルまで使えるコウの1号機と渡り合っていたのだ。

 また、試作2号機を失った後からはガトーにとっての最終機となるノイエ・ジールで連邦の切り札だったソーラ・システムIIのコントロール艦を破壊して、多くのジオン兵たちを守っていた。

 さらにノイエ・ジールをも超えた大きさや性能を誇るデンドロビウムとも互角に戦えたのもまた、ガトーの強さあってのものだろう。

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