『H2』木根竜太郎に『アイシールド21』瀧夏彦も…スポーツ漫画に登場する「ロン毛キャラ」の“泥まみれ”エピソードの画像
『アイシールド21』第12巻 [DVD](バンダイビジュアル)

 現在、放送中の日曜劇場『下克上球児』。橘優輝さん演じるロン毛が特徴的な野球部員・久我原篤史(くがはらあつし)が登場し、元陸上部の俊足を生かした活躍を見せている。現実のスポーツの世界でも「高校球児=坊主」の概念がなくなってきたように、スポーツ選手の髪型はかなり自由になってきている。だが、それでもやはり「ロン毛」は珍しいように思う。

 そこで今回は、スポーツ漫画に登場していた「ロン毛キャラ」に注目。一見チャラそうな見た目とは裏腹に実は熱血だった、彼らの“泥まみれ”なエピソードとともに紹介していく。

■自称・走攻守顔の四拍子揃ったセンター『H2』木根竜太郎

 はじめに、あだち充さんの『H2』から木根竜太郎を紹介する。木根は、主人公・国見比呂が所属する千川高校野球部で1番を打つ“走攻守の三拍子揃ったセンター”(本人曰く“走攻守顔の四拍子揃ったセンター”)、そして、高校球児らしからぬ肩まで伸びる黒髪ロン毛が特徴的なキャラだ。

 木根は作中屈指の三枚目キャラでもある。中学サッカーではそれなりに知られる選手で、千川高校サッカー部では期待の新人として女子にもチヤホヤされていた。しかし、徐々に金や女性にだらしないことがばれ、みんなからは軽く扱われるような存在になっていく。

 野球部にもリトルリーグでの恨みのある橘英雄をギャフンと言わせるために入部したが、見栄を張るあまり他人に本気や努力を見せたがらず、練習もサボりがちだった。しかし、自身の入院や小山内美歩の影響で練習を欠かさずするようになり、「あんなにうまいセンターは、明和一にもいねえよ」と比呂に言わせるほど、目覚ましい成長を見せる。

 コミックス32巻の甲子園準々決勝では、エースである比呂を休ませるため、木根は投手としてマウンドに立つ。それまで登板の機会はほとんどなかった木根だったが、投球練習は毎日続けており、その試合では完投勝利を収めている。

 ベースボールキャップには収まり切れない長い髪だったが、勝利に両手を挙げて喜ぶ姿は、まさに高校球児の姿そのものだった。

■フィールドの魔術師『シュート!』芹沢直茂

 次に、大島司さんの『シュート!』から芹沢直茂を紹介する。芹沢は、強豪・清水学苑高校の背番号15番のフォワード。恵まれた体格と天性のテクニックで、作中では“フィールドの魔術師”などと呼ばれていた。

 アニメ第32話『テクニシャン』掛川北と清水学苑の試合、スタンドで観戦する主人公・田仲たちの前に現れ「手相を見てあげるよ」と初対面の遠藤一美の手を握りナンパをはじめるなど、初登場からチャラさ全開だった。

 さらには田仲ら、男たちには「サッカーなんて、ただの球転がしじゃないか」と言って挑発し、スタンドから飛び降りたかと思うと、そのまま清水学苑の交代選手として途中出場。試合ではまさに「サッカーは遊び」と言わんばかりに掛川北を圧倒し勝利していた。

 そんな圧倒的な才能を持つ芹沢だが、実はその体格と練習不足からくるスタミナ不足の“ハーフタイムプレイヤー”であった。次戦となる田仲たち掛川戦では、まさに途中スタミナ切れになり、体力の回復のため一時ゴール前まで下がることになる。

 実質11人対10人と不利な清水学苑だったが、ほかの選手の頑張りにより同点に追いつく。芹沢は試合残り10分で復活すると、勝利のため、ほかの選手同様必死にボールを追いかけた。

 最終的には試合には敗れ、田仲に「行けよな国立」と言葉を残して悔しそうにフィールドを去った芹沢だが、清水学苑の仲間たちには熱く迎えられていたのが印象的だった。

 なお、芹沢はその後、エースとしてチームを牽引し、のちに清水エスパルス所属のプロサッカー選手となっている。

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