■ゲーム&ウオッチ以外にも続々登場した電子ゲーム…難易度が高かった『Mr. FRANKEN』も
当時は、「ゲーム&ウオッチ」の大ヒットを受け、各メーカーがこぞって電子ゲームを開発していた時期でもあった。たとえば、「ゲームポケコン」(エポック社)、「シュウォッチ」(ハドソン)、「テトリン55」(ゲームテック)なども有名だ。
それぞれに思い入れがあると思うが、筆者は「バンダイ LCD SOLARPOWER」の『Mr. FRANKEN(ミスターフランケン)』をよく覚えている。
ニンテンドーDSのような折り畳み式のダブルパネルで、十字キーではなくスティックを使っている。しかし右側にあるので、今プレイするとやりづらそうだ。LCDソーラーパワーで電池交換の必要がなく、太陽の下や蛍光灯があればゲームができるのは画期的だった。
筆者の兄が小学生高学年にときに買ってもらったものだが、当時はダブルパネル自体がカッコよかったし、とにかく最先端の技術というイメージだったな。
このゲームは2パターンがあり、最初は研究室のベッドで寝ているフランケンを博士が修理していく。だが、点滴は減り、頭に装着しているパワーリングが抜け、腕が落ち、電気がショートするという始末。これらの不具合を博士が懸命に直していくのだが、この表情が真剣そのもので面白い。ただ、落ち着けよって言いたくなるほど動きまくるのだ。
ある程度得点を重ねるとサングラスをかけたギャングのような悪人が登場し、博士をさらっていく。それに気づいたフランケンが追いかけ、博士を救出する崖のステージに続くのだ。さらわれてからすぐに追いかけたのに、すでに博士と悪人は崖の遥か上。困ったことにフランケンは足が遅いようである。
落ちてくる丸太を攻撃しながら、ヘリコプターから飛ばされる爆弾をかわしていく。とんでもないステージなのだが、これがなかなか難しい。途中にある橋が、いきなり消えてしまうからだ。タイミングを掴むのが難しく、初見プレイでは間違いなく丸太に当たってしまうだろう。
しかも博士のもとまでたどり着いたとしても、なぜかもう1周しないといけない。時間をかけて何度も挑戦して2周目をクリアしたものだった。
そういえば、原作『フランケンシュタイン』では、博士を恨んでいるんじゃなかったっけ? このゲーム内で2人は、強い友情と信頼で結ばれていたような気がするな。
「ゲーム&ウオッチ」は、発売終了までなんと59タイトルも発売されており、その人気ぶりはすごいものだった。今となってはソフトを交換できないゲーム機なんて想像できないかもしれないが、当時、手軽に遊べる電子ゲーム機の登場は革新的だったのだ。ちなみに、この「ゲーム&ウオッチ」の利益は「ファミコン」の開発に投資されたといわれているが、そう考えると歴史的な発明だったといっても過言ではないだろう。
ほかにも、思い出深いものが多いので、また紹介していきたいと思う。