■2人のひったくり犯が町で大げんか! 「することレンズ」
コミックス30巻『することレンズ』では、犯罪を企てる男が登場する。
「することレンズ」は、レンズ越しに見た相手が何をするかが見えるレンズだ。のび太とドラえもんは町で会った暗い男をレンズ越しに見て、誘拐、強盗、ひったくりを計画していることを知る。そこで「ドジバン」という、何をしても失敗するひみつ道具を男に貼ったドラえもん。
その結果、男が勢いでさらった女の子は工事現場の落下物を避けることができ、ひったくりをしたら実はその相手もひったくり犯で持ち主から感謝される。それでも男は諦めず、強盗を企て家に侵入するものの、なんとその部屋で火事を発見。慌てて火を消したら、結果、家主から感謝されることに。しかもそれは、先ほど男が工事現場で助けた女の子とひったくり犯の被害から守った持ち主だった。
家主からなぜ家に入っていたか問われると、男は涙ながらに“勤めていた会社がつぶれ、妻は病気になり、お金がなくてつい悪いことをしてしまった”と説明する。それを聞いた家主は「わしはきみが悪い人とはどうしても思えない。よかったらわしの会社にこないかね」と、ハッピーエンドを迎える。
幸せな展開に水を差すようで悪いが、この回では2人もひったくり犯が出ているのに注目だ。カバンをめぐって、2人の悪人が路上で大げんか。治安の良い日本ではなかなか見られない光景であり、やはりのび太の町は悪人が多いと言えそうだ。
『ドラえもん』ではこのほかにも覆面を被って包丁を持った強盗犯や、のび太を誘拐する犯人など多くの悪人が登場する。ただしいずれもちょっとマヌケで、ドラえもんの道具によってすぐにやっつけられたり、お巡りさんに捕まったりする結末が多い。ホッとする展開が多いものの、やはりのび太の住む町は治安が悪いと言えるだろう。
日本は先進国のなかでかなり安全な国と言われているが、油断は禁物だ。残念ながらドラえもんはいないので、皆さんも日頃からスリやひったくりに注意し、戸締りもお忘れのないように。