■どうしても実現させたかったが、友達と協力しても出来なかったキン肉バスター
最後は『キン肉マン』(ゆでたまご)による「キン肉バスター」だ。首折り・背骨折り・股裂きというまさに必殺技と呼ぶにふさわしいものである。初お披露目は対ウォーズマン戦で、白熱するバトルに終止符を打っていた。
学生時代はプロレスごっこが流行ったもの。お互いに技の掛け合いをしながらおのずと協力し合い、コミュニケーションの一つになっていたものだ。もちろん、一方的にやるのはご法度で、交互にできそうな技を試していく。
しかしこの「キン肉バスター」は、相手の協力があってもできなかったな。まず筋力が足りないので相手を持ち上げるのが不可能だった。なれば高校時代ならどうだろう。陸上部の中長距離選手で軽量だった筆者は技をかけられる方になり、強面の運動部の面々を集めて体育館にマットを敷いた状態で準備万端! 投てき担当の部員や柔道部といった怪力自慢たちに背負ってもらった。
すると、やはり技をかける方も首に負担がかかるので厳しいと言っていた。筆者よりももっと体重が軽くないと難しいらしい。そもそも野郎同士で耳がこすれ合って首が真横にくるのは、気持ち悪いったらありゃしない。
何人かに持ち上げてもらったままなら格好だけは真似できるのだが、ここで思った以上に恥ずかしいポーズというのに(今さら)気づいた。そこでこちらがギブアップだ。
憧れの「キン肉バスター」だったのだが、友達と協力しても無理だった。
バトル漫画に登場する必殺技というのは、ちょっと頑張れば使えそうにも思えるのだが、やはり難しい。もちろん、漫画のキャラたちは相当な修練を積んでいるので、素人が簡単にできるものではないのだ。
まあ、真似できないから“必殺技”というのだろう。