■カラーリングと“暁”の文字に百式オマージュを感じる「アカツキ」
最後に『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場した「アカツキ」を紹介する。アカツキは、オーブ国防軍のモビルスーツだ。
“ヤタノカガミ”というビームを屈折・反射する特徴を持つ黄金のカラーリング、そして、左肩アーマーに“暁”という漢字がデザインされている。この『SEED』シリーズは“原点回帰”を目指して制作されている作品だけに、アカツキからは“百式オマージュ”が感じられる。
作中最大の活躍は、PHASE-40「黄金の意志」でのこと。ザフト軍に侵攻されたオーブだったが、当時権力を握っていたセイラン家とその(バカ)息子のユウナ・ロマ・セイランより、指揮系統はボロボロだった。
オーブを守るため、カガリ・ユラ・アスハは、父であり前オーブ代表であったウズミ・ナラ・アスハの意志を継ぎ、アカツキで出撃する。
アカツキに乗ったカガリは、まず通信でユウナを拘束し、アカツキはムラサメ隊とともに前線でザフト軍を次々に撃破していく。さらにはカガリの声で兵士たちを鼓舞し続け、総崩れであったオーブ軍を立て直していた。
その後現れたシン・アスカのデスティニーにより危うい場面もあったが、キラ・ヤマトのストライクフリーダムに助けられ戦線離脱。アカツキは、指揮官機として十二分な活躍と存在感を見せていた。
今回は、『ガンダム』シリーズに登場した「漢字入りデザイン」にモビルスーツを紹介してきた。全シリーズを見てもそれほど多くない漢字入りのモビルスーツではあるが、そこには漢字独特のカッコよさがあり、なかなか痺れるデザインばかりだ。
そして、ガンダムという宇宙を舞台にしたSFでありながら、その世界にも、われわれ日本人と同じ漢字の影響を受けている者がいるというのも実に興味深い。今後「漢字入りデザイン」のモビルスーツは登場するのだろうか。次も期待したい。