■「ノミと同類よォーッ!!」グラスワインを零さずに飛びヒザ蹴りを食らわせた『ジョジョの奇妙な冒険』ツェペリ男爵
ロングセラーの格闘漫画といえば『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦氏)を外せない。そして、第1部の主人公のジョナサン・ジョースターの師匠といえば、ウィル・A・ツェペリだろう。
若いころは父とともに世界を旅する考古学者で、偶然にも石仮面を発見。船で帰路につくも、その途中で父は石仮面によって吸血鬼化し、船員たちを惨殺してしまう。ツェペリも襲われるが、かろうじて太陽の光が差し込み、命拾いしていた。
そこから石仮面を研究し、チベットの奥地で波紋法の修行をすることになる。格闘経験のないツェペリにとって、波紋法を取得する修行と吸血鬼との命を懸けた戦いは想像を絶する努力と覚悟が必要だったはず。
しかし、そんなつらさをまったく見せないほど飄々とした振る舞いで、ジョークを言いながら場を和ませようとする。こんな師匠がいたら、安心感が半端ないだろう。
「パパウパウパウ」という擬音がネタにされやすいツェペリだが、戦闘シーンも目を見張る。切り裂きジャックとの一戦ではジョナサンに勇気の素晴らしさを説きながら、恐怖を知らない屍生人に対して「ノミと同類よォーッ!!」と言いながら飛び、ヒザ蹴りを放つ。
ロンドンを恐怖に陥れ、屍生人化でパワーアップした切り裂きジャックをまったく寄せ付けず、さらに片手に持ったグラスワインが零れないほどに安定感のある戦いぶり。とてつもない強さが際立った師匠といえるだろう。
格闘漫画に登場する師匠たちは、凄まじい努力によってその強さを身につけており、指導者となってからは主人公の才能を伸ばすため、厳しい修練を積ませている。
ほかにもたくさんの師匠がいるものだが、ここに登場する師匠キャラはいずれも各作品において“伝説の強さ”を身につけているものだろう。