■序盤からかなり厳しいバランス! でもそこを抜ければ『DB』らしさが楽しめる!
その一方で、ゲームバランスはちょっと厳しいところがありました。そもそも、すごろくタイプのゲームなので、運任せなところは前作譲り。そこに敵を倒してレベルアップした悟空にパラメータを割り振るという要素が追加され、思い通りに悟空を育てる面白さがある一方で、パラメータの振り分け方によってはゲームに詰まるというバランスの悪さもありました。その反省からか、以降の作品にはパラメータの割り振りはなくなりましたが、理解できれば楽にゲームを進められることもできたので、ちょっと惜しいシステムでもありましたね。
パラメータを振る機会が少ない序盤こそ厳しいプレイを強いられますが、そこを抜ければ結構楽にゲームが進められるようになります。先ほど紹介したような序盤の敵のほかに、桃白白や天津飯、餃子、そしてピッコロ大魔王と戦ったり、カリン様やミスター・ポポと特訓したりと『ドラゴンボール』の世界を追体験できます。さらにエンディング後には、ラディッツ、そして鳥山明氏のコミック『Dr.スランプ』のアラレちゃんとのボーナスバトルも隠されており、多くのプレイヤーを驚かせ、楽しませてくれたのです。
■粗削りだけど、ゲームで「ドラゴンボール」の序盤を体験したいならオススメの一本
近年も『ドラゴンボール』のゲームは多数リリースされていますが、その多くはいわゆるZ戦士たちの活躍を描いたものが大半。『ドラゴンボールZ カカロット』では追加DLCとして第23回天下一武道会が楽しめる「波乱の天下一武道会」が配信されていますが、やはり序盤のストーリーが再現されているものはほとんどありません。それもあってか、『ドラゴンボール』序盤の物語を追体験できるゲームとして、30年以上経ったいまでも本作を挙げる人は少なくありません。
最悪、最初からやり直しになるパラメータの割り振りなど、確かにバランスの悪いゲームではありますが、そこはそれ。いまならネットで検索すれば攻略情報も出てきますので、最悪を回避してプレイすることが可能です。最新のアニメが発表されたいま、昔のストーリーを思い出すつもりで、『悟空伝』を遊んでみてはいかがでしょうか。