国民的どころか世界的なコミック・アニメであるといっても過言ではない『ドラゴンボール』。10月13日には2024年秋に展開されるという新アニメ『ドラゴンボールDAIMA』も発表され、期待に胸を膨らませているファンも多いでしょう。それほどの人気なのだから、ゲームにならないわけはありません。しかし、『ドラゴンボール』が世に出たのは1984年。当時の『ドラゴンボール』って話はどんなんだっけ……? となってる人も多いのではないでしょうか。そんな方にピッタリなのが、バンダイよりファミコン用ソフトとして発売された『ドラゴンボール3 悟空伝』なのです。
■上手く原作を料理した「悟空伝」は「ドラゴンボール」最後の作品!?
1989年10月27日、いまから34年前にファミコンで発売された『ドラゴンボール3 悟空伝』。実はこの作品、ファミコンゲームでは『ドラゴンボール』名義の最後のゲームでもあるのです。何言ってんだ? と思われる方もいるでしょうが、本作が発売されるころにはアニメ『ドラゴンボールZ』の放送が開始されています。アニメの『ドラゴンボールZ』はサイヤ人編からの再スタートですから、マジュニア打倒で終わる「悟空伝」には「Z」が付いていないのでしょう。そう考えると、本作はコミックではなくアニメのゲーム化なんですね。
そのストーリーはといえば、主人公の孫悟空の祖父の遺言である「天下一武道会での優勝」を果たすため、ピッコロ大魔王の手によって消滅してしまった天下一武道会を復活させるべくブルマたちと旅に出るという、原作とは時系列がちょっと違う物語になっています。しかし、天下一武道会を復活させるための道のりは、ウーロンやヤムチャ、亀仙人との出会いや、ウサギ団やピラフ一味、レッドリボン軍との戦いなど原作の序盤を見事に再現しているのです。
■「大魔王復活」を継承したすごろくとカードバトルは大幅にパワーアップ!
ファミコン1作目『ドラゴンボール 神龍の謎』は見下ろし型のアクションでしたが、2作目の『ドラゴンボール 大魔王復活』はすごろくとカードゲームを組み合わせたアドベンチャーRPG。「悟空伝」は、それを受け継ぎつつもブラッシュアップ。「大魔王復活」ではただのマスだったすごろくが、「悟空伝」ではバトルになるマスやアイテムがもらえるマスなどバラエティに富んでいます。ストーリーが進むごとに変化するすごろくマップには原作のエピソードが組み込まれており、ときにはキャラクターと会話しながら謎を解いたりしていきます。ある意味、原作漫画やアニメが一番の攻略本のゲームなのです。
バトルシステムもカードに描かれたドラゴンボールの星の数と漢数字、技によるバトルに加え、使用する必殺技が自分で選べるようになりました。しかも、少年時代と青年時代の悟空では使える必殺技も異なり、また”必殺技ポイント”が追加されたことで、長いスパンで戦うことを考える戦略性も生まれました。なにより、上下に描かれた敵や悟空が次々とモーションを繰り出して戦うバトルモードは、コミックのように躍動感あふれる動きに感動を覚えた人も多いでしょう。