■『FF6』よりケフカ
ケフカは『ファイナルファンタジー6』に登場する、ガストラ皇帝直属の人造魔導士だったが、皇帝を裏切って世界支配を目指したラスボスだ。ストーリー序盤こそ、精神が崩壊している影響で一人称が「ぼくちん」「わたし」「俺様」などバラバラになるなどギャグ路線のキャラかと思われたが、非常に残虐な性格を秘めている。ケフカの所業で最も印象に残るシーンは、敵国であるドマ王国を滅ぼすために、ドマ王国の水源の川に毒を流して大量虐殺するシーンだ。
そんなケフカは、彼の残虐性を隠すかのような道化師のデザインになっている。顔を白く塗り、赤い化粧を施しているところが不気味だ。しかし、ラスボスとして戦う際には、神のような羽根を生やしていて、禍々しい神々しさを身にまとった姿に変わっており、かっこよさが増している。
ケフカのデザインの違いは、プレイヤーによって好みが分かれるのではないだろうか。個人的には、序盤に現れるケフカのほうがより不気味で、底知れない気持ち悪さが演出されていて好みである。
今回は『ファイナルファンタジー』から人間タイプのボスを振り返ったが、いずれもドット絵でありながらも不気味さ漂うデザインばかり。プレイ中は戦うのに必死で細かい部分までは見れないが、後から資料集や攻略本で天野氏のイラストを長め、その美しさと気持ち悪さに驚いたファンは多いだろう。