■デボラシリーズ『デボラがライバル』吉川ひなの

「ぼくたちの映画シリーズ」第3弾が、1997年に公開された『デボラがライバル』。多田かおるさんによる漫画の実写化作品で、女性に興味がない男の子・デボラと普通の女の子・朝代の恋愛模様が見どころだ。

 原作はシリーズになっており、「さびしがりやのデボラ」「きまぐれエンジェル」「君の名はデボラ」「デボラの夢は夜ひらく」と作品数が多いが、「デボラがライバル」に統一されてコミック化されている。

 映画で主人公の関本朝代を演じたのは、当時人気が高かった吉川ひなのさん。そして、タイトルにもなっている美しい「デボラ」を演じたのは谷原章介さん。多田さんは映画に合わせて漫画のタイトルを「デボラがライバル」にしたとコメントしており、ストーリーも原作と映画版では違いがある。

 ちなみに同作には、篠原ともえさんや伊藤英明さん、長谷川理恵さんといった華のある俳優陣が脇を固めているところも見どころだ。

■恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』榎本加奈子・中山エミリ・矢田亜希子・山口紗弥加

『デボラがライバル』と併映され、「ぼくたちの映画シリーズ」最終弾となったのが大ヒット恋愛ゲームを実写化した『ときめきメモリアル』である。岡田義徳さん扮する冴えない高校3年生・鈴木明彦が、夏休みの想い出作りに学園4大美女と夏休みの海の家でバイトをするという甘酸っぱい青春物語だ。

 原作は恋愛シミュレーションゲームで、プレイヤーの選択肢でストーリーが変わっていく。ゆえに映画はゲームとの類似性がなく、オリジナルストーリーと言ってもいいかもしれない。共通点は、唯一ゲームの大人気キャラだった藤崎詩織が脇役で登場する程度だ。詩織役に抜擢されたのが、オーディションを勝ち抜いてデビューを果たした吹石一恵さんである。

 学園4大美女を演じていたのは、榎本加奈子さん・中山エミリさん・矢田亜希子さん・山口紗弥加さんという美女にふさわしい女優たちで、山口さん以外は、映画初出演というフレッシュさ。ちなみに、「溺れた少年の友だち」というちょい役で、現在NHK朝ドラ『ブギウギ』に出演中の水川あさみさんも出演している。


「ぼくたちの映画シリーズ」では、90年代に人気が高かったアイドルやバラドルのほか、今はベテランと呼ばれる域に達した俳優たちの若かりし頃の姿が見られる。意外な俳優がちょっとした役で出演していることもあるので、クレジットをチェックするだけでも楽しいかもしれない。

  1. 1
  2. 2
全ての写真を見る