■願うのは個人の決着!「純粋」ゆえの最大級のワガママ
そして最後に紹介するのはシャア・アズナブル。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場したシャアは、新生ネオ・ジオン総帥の座につき、コロニーに住む人間たちスペースノイドの自治権確立を目的として行動を開始する。
しかし、結局のところは宿敵アムロ・レイとの決着を何よりも望んでいる節があり、そのために戦争を起こしたとも考えられる。新しい技術のサイコフレームをあえて連邦に流し、決着にふさわしいアムロ専用MSの開発を促したのが最たる例だ。
戦いの最中には、親密な関係にあるナナイ・ミゲルの思念を感じ「ナナイ!男同士の間に入るな!」と一喝する。
作中でミライ、そして『機動戦士ガンダム』でララァ・スンはシャアについて「純粋である」と評している。純粋な人物が強大な力をもってしまい、短絡的な行動につながったのがシャアだ。それが「ワガママ」に見えてしまうのは筆者だけだろうか。
以上、今回はフレイ、ハサウェイ、シャアの3人をピックアップしたが、『ガンダム』に登場するキャラはほぼ全員がワガママな行動をとっているようにも見える。特に、主人公が当てはまる。ガンダムで家出したアムロやZガンダムを盗もうとしたジュドー、挙げればキリがない。
ただ、場の空気を読まない“ワガママ”にハラハラさせられることもあるが、あらためて観てみると違う印象を受ける場合も多い。特に、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』や『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ サン オブ ブライト(仮)』など続編が控えているので、復習がてら観てみてはいかがだろうか。