■ある意味“伝説”に…!? 『ジョジョの奇妙な冒険』ディオ&エリナ
1986年から荒木飛呂彦さんにより連載されている『ジョジョの奇妙な冒険』は、部ごとに主人公や舞台となる国や時代を変え、シリーズ化されている人気作品だ。
ジョースター一族の運命を壮大な規模で描いた本作。第1部「ファントムブラッド」では主人公であるジョナサン・ジョースターと、宿敵であるディオ・ブランドーの戦いが描かれている。
そんな『ジョジョ』のキスシーンといえば、やはりディオとヒロインのエリナ・ペンドルトンだろう。ジョナサンへのあてつけのため、エリナのファーストキスを無理やり奪うディオ。そのシーンでは「ズキュゥゥゥン!!!」という効果音がつけられ、迫力のあるシーンになっている。
キスシーンにあまりにもふさわしくないこの効果音……。『ジョジョ』シリーズにしか許されないような気すらしてしまう。さらに、その後、キスをなかったことにするかのように、泣きながら泥水で口をすすぐエリナの様子もあまりにかわいそうで印象的だった。
ちなみに、このシーンはアニメ版でも衝撃的な効果音がつけられ、漫画さながらの迫力を味わうことができる。
■トラウマ級キスシーンといえばこれ!『チェンソーマン』デンジ&姫野
最後にご紹介するのは、藤本タツキさんの『チェンソーマン』から。2019年1号から2021年2号まで第1部が、現在は第2部が連載されている人気作だ。
“チェンソーの悪魔”であるポチタとともに「デビルハンター」を営む主人公・デンジは、悪魔に騙されて数奇な運命を歩むことになっていく。
本作では公安警察に所属するデビルハンターたちが主要キャラとして登場するのだが、デンジと衝撃的なキスをしたのが、先輩の姫野だった。黒髪のショートヘアに右目の眼帯が特徴的なデビルハンターの姫野。見た目は可愛らしいのだが、実は酒乱の一面を持っていた。
そんな彼女がデンジとキスをしたのが、コミックス3巻でのこと。悪魔を倒したらキスをする約束を交わしていた2人。無事に悪魔を倒したデンジは、待ちに待ったご褒美のキスをされるのだが、すでに酒に酔っていた彼女はデンジに口づけながら、なんと嘔吐してしまう。
この衝撃的なキスシーンは「ゲロチュー」と呼ばれ、アニメでも忠実に再現されていた。忘れたくても忘れることができないこのシーン。漫画史に残るトラウマキスといっても、過言ではないだろう……。
ロマンチックなものから忘れたくなるようなものまで、さまざまなバリエーションで描かれていたキスシーンたち。作品の集大成として、作中の重要なシーンとして、はたまた衝撃的なギャグシーンとして、読者を夢中にさせている。とはいえ「ゲロチュー」だけは絶対に嫌!と、切に思う筆者だった……。